2025年6月11日水曜日

Minazuki

六月は水無月であります。
和菓子の『水無月』も店頭に並ぶのも嬉しく、外郎製も葛製も好物であります。でも、らしくないのですが集合体恐怖症のボク、あのビッシリと規則正しく整列した小豆に少々寒気も感じるのであります、へへっ。自宅では自分なりの水無月を作ります。プリンスオブウェールズ (紅茶)と生砂糖を煮詰めた蜜を垂らしてネ。







2025年6月9日月曜日

Morishita Jintan

還暦過ぎの漢の夏は、開襟シャツにリネンのズボンと草履をつっかけて。やっとモダンクラシックが似合う(?)年齢となり、仁丹をポケットに忍ばせます。そう、仁丹臭いジィさんほど、子供の頃に憧憬を抱いた究極の大人あります。(龍角散の香りに似た口中清涼剤)

やっとこさ見つけました、アンティークの銀製仁丹ケースを。(写真②③)飾り細工がほどこされた戦前に作られた品です。今こそ仁丹の復権を願います。
ここだけの話。一粒噛んでから数分後、口中にモルトを含むと不思議なスモーキーさが生まれますぞ。



2025夏、60代も半ばを過ぎたので面白おかしく過ごしたい。己の経済的な範疇で、食いたいものを食って着たいものを着て、あとは行きたい場所にも行ってみて。だって老い先短いモン。派手に見えてけっこうリーズナブルな漢です。今こそ粋に生きたいねぇ。






2025年6月5日木曜日

Kitsune

今月はカミさんと豊川稲荷にお参りを。篤い信仰心を持ち合わせているボクではなかったけれど、人生も黄昏時となり、心の拠り所としてありがたく手を合わせることと。ここに限らず八百万の神々、また御仏様すべてにですが。実際のこと、おかげさんで物事が自然に穏やかに過ごせております。

ここでもたくさんの人々の祈りの姿を見受けます。さまざまな想いや人生があるのだろうね。


参拝後に、「鰻でも食べようか」と『つきじ 宮川本廛』の暖簾をくぐる。
個々に重と、う巻と白焼きはシェアして愉しむ。タレは江戸の辛口、きりっとして美味いねぇ。



2025年6月2日月曜日

Kissa Co



豆を取り寄せたりして自宅でも旨い珈琲は飲めますが、困ったことに近所に喫茶店が無いのだよ。駅周りには画一化したカフェはあるけど、深いアロマ漂い、一口目に「ふぅ・・」と安堵の吐息を吐くような店が消えて久しい。半世紀を遡れば、店、味、雰囲気、店主、でその時々で使い分ける自分好みがあったのになぁ、などと想いを巡らす昨今です。

京都では新しいホテルを利用したのだが、観光地故にホテルの乱立にサーヴィスが追いついていない。朝食のダイニングまで行ったが、そのお粗末さに街の老舗喫茶に向かい朝食を。

「ふぅ・・」
この街はいいなぁ、、、

2025年5月24日土曜日

UNION LAGER BEER



普段はハードリカー専門なボクだけど、さすがに暑くなるとビールを口開けにする日が増えてます。
ウヰスキーなら重厚なグラスを定番としてますが、ビールは装飾の無い儚げなグラスが旨い。よくある『うすはりグラス』ってやつね。んで、 戦前のノベルティグラスを6個入手たのだけど、これが薄い作りでなかなか好いのであります。こっくり呑むウヰスキーと違い、グラスの重ささえ感じないコレはラガーにベスト。


肴は『富麗華』で買ってきた春巻きを。
いちばん最近入手したシノワズリの皿で気取る。1930年代のハンドペイントのオールドノリタケなのね。なんと未使用品で、包まれていた包装紙は京城(ソウル)三越のもの。


2025年5月11日日曜日

Yukiwa

資金は無いが粋がりたい。20~30年前までは浅草辺りにあった履物屋とか小間物屋が、時の流れか皆廃業されて皆無であります。粋を探して彷徨えど、外国人観光客相手のパチモンしか見当たらないのも悲しい現実。東京の江戸趣味は終わりを告げてしまうのでしょうかね。ダレか知っていましたら教えてくださいまし。

致し方なし、上方で探します。

宮脇売扇庵で自分用に扇子を購入することに。胸ポケットに収まりが良いので、ボクは小ぶりな女性用を愛用しておりまする。『波に千鳥』柄とで悩みましたが、今シーズンは漆黒に『雪輪』の蒔絵が施された品を選択する。

江戸の夏、雪駄チャラチャラ時にはさり気に粋に。京の工芸で勝負に出ます。


観光地ではやたら安っぽい貸し和装の外国人を見かけますが、今回の京都の八坂さんにて、本式の泥大島を羽織った黒人カップルをお見かけました。好いもんですねぇ、頭から足先まで余裕の着こなしでございました。

2025年5月10日土曜日

Caciocavallo

永観堂裏の路地奥のそのまた奥で、地図片手でも見つからず、地元の方ふたりに尋ねてどーにかこーにかたどり着く。ちなみに調べてくださったご婦人たちもその存在を知らず。

『とま屋』さん。(写真①⑥)

骨董専門誌『目の眼』で知ることが出来ました。不思議な菓子屋であります。年配の女性が一人で菓子作りをしておりますが、よくある趣味(和菓子好き)の延長線上な菓子屋ではございません。その上生菓子(写真②③)は間違いなく至上(卓越した作品)であり、京都の老舗系の伝統菓子とも一線を画しております。初夏に輝く青もみぢの庭、お薄とともにアールデコ照明のある一室(写真⑤)で頂くことと。空間に独りです。

朝鮮唐津上のきんとんにしろ草わらびにしろ、仕上がってほんの数分後の味覚でありました。すでに知る人ぞ知る上生菓子ですが、味覚・風味・美しさ、その高い位置でのバランスの取られ方に感服いたします。

主は2015年に亡くなられた世界的木版画家(浮世絵師)・立原位貫(いぬき)氏の奥さまでありました。なるほど、その審美的感覚の意味合いが分かりますね。
壁にはボクの知人でもある岡山吉田牧場のカチョカヴァッロ(チーズ)が木版画(写真④)で。(故 立原位貫・作)


数年ぶりの永観堂参拝後(写真⑦)、ホテルに向かいチェックインを。