2023年7月27日木曜日

Chikurin

東京芸大大学院後、幽閉されるように鎌倉の『檑亭 (らいてい)』の窯場で作陶の日々を送り、やっと解き放たれ開催した個展は、日本橋三越(1993年)も東銀座の工芸『今(いま)』(1994年)も行列ができるほどの大盛況だった。遠来の女性がオープニングの時間に間に合わず、入り口で涙していた光景にも驚かされた。ボクは編集者の知人に「絶対に行くべき」と誘われ、その三越で彼の作品に触れたのが最初でありました。子供の頃から骨董趣味はありましたが、現代陶芸を意識するきっかけはこの時からであります。
そして三越での初個展の二年後、彼は病により38歳で夭逝してしまった。

今回の鎌倉行の目的は彼の回顧展(鶴岡八幡宮直会殿2F)でありました。

‘’使う人を楽しませることしか考えていなかった‘’
『白石和宏のエモい器  回顧展』

でございます。

亡くなった当初、作品から放たれていた輝きがすべて失せてしまったような気がしましたが、それが今また光を放っているのであります。
展示の作品は、彼の、いやいや現代陶芸界のパトロンである早乙女哲哉氏(是山居の主)の所蔵品での回顧展であります。






1996年に『工芸 今』の菅原さんから購入した一尺六寸(48cm)の竹林文大皿は、わが家の至宝であります。

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