2021年1月19日火曜日

Saba

出町柳の『西角』さんの親方に、無理なお願いを言って鯖寿司をお取り寄せ。昔気質の親方だもの、宅配での発送に抵抗があるみたいです。

「そこをなんとかお願いしますよん」と。

昼前に届き、冷蔵庫には入れずに夕餉まで常温に。古伊万里の錦手を家族分引っ張り出し、個々に取り分ける。もう一棹は長女夫婦用に残しておく。
不思議と関東には鯖寿司が無いんだよね。大手百貨店のデパ地下でも個人店でも見当たらない。時々デパの催事で見掛けるけど、似て非なりな他地方の製品やボクが苦手な炙りだったりでねぇ、、、

酢加減、塩加減が絶妙ですねぇ。臭いは無いけど香りはじゅうぶんに有ります。やはり子供の頃から鯖寿司の味(文化)を知っている強味でしょうかね。40代まで鯖も小肌も食わず嫌いだったボクが、何をエラそうなことを言っているのでしょうか。
口中で鯖と米とが一体化して、胃袋が「早く飲み込め」と待ち構えているような。

ああ、京都に行きたい。




2021年1月18日月曜日

Ragoût

とうとう取引ある飲食店の大半が休業に入ってしまいました。残るは天婦羅『是山居』(てんぷら みかわ)さんだけとなりました。しょぼ~ん、、、、、、
コロナ禍真っただ中だもの、致し方ないですよね。お得意様皆働き者ですからねぇ、電話で話すと無念な思いが伝わってきます。どこまで続くのやら、このコロナスパイラル。

神田美土代町からのお取り寄せのビーフシチューが今宵の夕餉。定食屋の裏メニューですが、元々が洋食畑出身ですから腕は確か。ボクが8年前まで担いてた鳥越祭の神輿仲間なのです。リーズナブルなのに肉がタップリ、乳脂肪分高いのクレームドゥーブルを掛けまわしてマイルドに。
コロナ禍で無性に食べたくなるのは、不思議と職人の味なのだよ。










2021年1月17日日曜日

Tajimaya

友人の子息から、ボクの父方のルーツである豊後竹田の『但馬屋老舗』の菓子をいただいた。カミさんと、思わず静かに歓声をあげてしまった。

少し懐かしい。

一年半前のこと。それまで考えもしなかった自分のルーツ、気も乗らずカミさんに急かされるまま出発した旅でしたが、いざ訪ねてみたら驚くほど祖父母の足跡と出会えましてね。
大正時代の終わりに、故郷に別れを告げて峠を越えた祖父母たち。
戦時中に亡くなった祖父ですが、禅寺の住職だった祖父の墓石の裏側には、その豊後竹田への想いが彫られています。

思わず茶を点てて、有難く頂戴いたしました。(茶器・前田 正博 作)
S君、感謝いたします。






Hanamachi

芝翫さんじゃないが、ボクもナニを隠そう花街好きです。ただ彼と違うのは、実態が伴わない空想世界でありまして、こんなんを見ながら思いを馳せる喜びでございます。なにしろ金も掛かんねぇしね。
古書店で見っけた大正から昭和にかけての京の花街のキレイどころです。当時の人気芸妓や舞妓の絵葉書(ブロマイド)ですね。上記二枚はたぶん祇園で三枚目は先斗町です。現代もそうですが、当時はもっともっと高嶺の花の存在だったことでしょう。
一枚目の裏書きは、お茶屋名の『おく山』は分かったが、他は判読不能。二枚目は『松田』の「つ由」とある。三枚目は、当時の先斗町の名妓「吉枝」さんです。舞妓は分からしまへんにゃぁ、、、




ところで、以前書いた戦前の江戸下谷花柳界の人気芸者の「さかえ」さんの面白い記事を発見。下記の写真と見比べてみると、面影がありますねぇ。




2021年1月15日金曜日

Aburaage

自粛要請には当たらない豆腐屋ですが、かくれ里のごときひっそりと商いを続けます。見た目はウソくっさいボクですが、営々が身上でございますので。なんてね。

たまには製造内容の話など。
終戦後から高度経済成長時代、バブルの頃までは輸入大豆が豆腐作りの主流でしたが、昨今は国産大豆で作られる豆腐製造業の方も増えてまいりました。まぁ輸入大豆が悪いワケではありませんが、遺伝子組み換えとか考えるとね、私自分が欲しているのが国産でしたのでその方向に。

ここからが本題で。国産大豆十割で豆腐を作られてる業者さんは増えましたが、それに比べ国産大豆十割でのお揚げさんを作られてる業者さんは少ないのであります。ガクンと減って国内でも1%もいないとのこと。(大豆商社談)

ボクの場合、大豆(宮城産タチナガハ種)を冬場は60時間水に漬け、朝一番の釜での生地(油揚げ用豆腐)作りを。それを牛刀で薄切りにして竹すだれに並べ、重石を乗せて一晩水を切ります。翌朝すだれから外しまた一晩冷蔵庫で寝かす。最終は太白胡麻油で二度揚げとなります。極太杉箸で返しながら八枚を揚げるのに約15分かな。大豆を井戸水にに漬けてから、正味五日後にお揚げさんとなります。

京都サイズの大判で230円、写真はお稲荷さん用の小判130円です。

(お揚げさんの)手間など知ってもらう必要もないのだが、製造者の私が言うのもなんだけど、けっこう贅沢なのでございます。

ボクは焼くより軽く炊く方が好みです。
来月は初午、いつも通りに京都から畑菜を取り寄せて、油揚げとの辛子和えを。






2021年1月14日木曜日

Tsuki 

コロナ禍は恐ろしや。緊急事態宣言後の飲食店のお得意さまが、あれよあれよと皆休業の方向に。ましてやもちょっとで二八(にっぱち)月ですからねぇ、これじゃコロナに全面降伏ってことにもなりかねねぇ。いよいよボクのツキが落ちてしまったのかな。

いやいや負けねぇ、負けてなんかいられないぞ。

ってことでゲン担ぎ。ツキはツキでも月に見立てた満月電笠(戦前製)を階段上空に。これならツキ(月)が落ちることも無いでしょう。

わが家で一番好きな場所。この季節はちと寒いけど、階段に座って月を見上げる愉しさよ。




小林製薬の男性用サプリメント(バイアグラみたいな)が、消しても拒否ってもヤフージャパンのディスプレイ広告(PC)にご登場。それも同じ画面に複数だったりして。わが家の娘たちもいじくるのだからやめてよぅ。

たった一度クリックしただけなんだから、、、、、、

2021年1月11日月曜日

Ochazuke

さすがに自宅遊びも飽きてきましたねぇ。だって呑むか食うかで時間が過ぎてゆきます。体重も100㎏を超えたままだし。だけどまだ外出には抵抗があるからなぁ。
NHKオンデマンドで『京都人の密かな愉しみ』を久しぶりに全部見直す。

観ながら思い出しました。冷蔵庫に『田中長』の京奈良漬けが残ってることを。桂瓜のやつね。それに酒米の『朝日』を晩飯用に初めて炊いたのも偶然で、しっかりめの米と奈良漬けとで茶漬けにすることに。

たったこれだけなのに嬉しい夕餉、この贅沢に感謝します。
お米をくださったKくん、明日は『塩引きで鮭』でやってみますよ。




2021年1月9日土曜日

Gastronomy

コロナ禍で少し街が静かになったような気がします。それでなくとも冬は夜が早いですからね。そんなこんなの正月明けですが、豆腐屋には時短要請は出ておりませんが、しばらくの間は閉店を午後五時とさせていただきます。勝手なお願いとは存じますが宜しくお願い致します。

写真は絹ごし豆腐です。
たった一丁で愉しむ贅沢がございます。
味覚は知性ですぞ。



大好物だった冬の香箱蟹が高騰してしまい、残念ながらここ数年はありつけず。昔はブランド蟹でも雌ならトロ箱ごと買えたものだが、昨今は優品なら3杯で一万円超えだもの。そんなら無理してでも雄蟹を買うよなぁ。(ボクは買わんけど)故にここ10年食っとらんです。
ところが昨日、ボクのもうひとつの冬の大好物が届いたのね。塩引きき鮭なのだ。新潟の村上市辺りが有名だけど、これは秋田の男鹿からです。取引ある大豆農家さんのお手製なね。塩処理後の一定期間軒に下げ、海風山風によってゆっくり発酵させた美味なのだ。ちょっと発酵臭があり、そのまたそのオイニィが酒に合うのよ、潮由来のヨード臭い酒に。





写真は以前の再利用でっす。

2021年1月5日火曜日

Happōfusagari

こんな正月休みは初めてで、食材の買い出しでの近所のスーパーマーッケット以外はお出かけ無し。正月用の一張羅を着ることも無かったのだ。
ところで緊急事態宣言再発令で、お得意様の飲食店が困ったことになってます。外食や外呑みが「いけないこと」的扱いだものなぁ。すでに豆腐の注文もキャンセルが数店あるし、休業を決めた有楽町の店もあるのだ。普段お世話になっていながら力になれないもどかしさ、申し訳ないとしか言いようがないのも痛いトコです。
今日だって「連休の最終日ぐらい出かけるかな」と考えていたけど、ボク自身も気分が晴れずにけっきょく家の中に。明日から普通営業なのだが、ご贔屓様に来ていただけるのだろうか。

コロナのバッキャヤロー!




んで、書斎でやることったら、せいぜい呑んだりDVDだったり、あとは暇だからヤフオクでお宝探しかな。
正月のヤフオクはエエよ。正月は出品数も少ないけれど、競合する相手も少ないみたいで落札価格も安い場合が多いのだ。数年前の正月に落札した古(?)伊万里の蓋つき茶碗十客は四~五千円でしたし、やはり古伊万里の染付皿十一枚(縁紅有)もほんの数千円だった。買わない手はないよね。本日、東北の骨董屋からお出でになった古伊万里の瑠璃釉向付もそんな感じで。150~200年前に作られた器で食う粗食、たまんねーぞ。

齢六十一、人生の黄昏時となりましてねぇ、残りの人生にうたかたな夢を抱いておりますです。
引退後は庵を結んでひっそりと暮らし、訪ね来る客人を好きな器と質素な料理でもてなすこと、なんてね。

風流人じゃろ、ヒヒっ。







2021年1月3日日曜日

Baika

豆腐屋は水仕事ですから、入念に手入れは怠らぬボクでした。それがここんとこ手荒れがひどくてねぇ。出かける先々や自店でのアルコール消毒が原因でしょうか。
まーったく予定の無い正月は、年末から大掃除に明け暮れておりまして、洗剤や濡れ雑巾で一気に手荒れも悪化の一途です。どんな保湿クリームより無臭のワセリンを愛用してるけど、眼鏡やスマホがすぐにオイリーになってしまうのが難点でねぇ。
でも、おかげさんで書斎も階段もピッカピカで、新年から気持ち良い時を過ごしておりまする。


今朝も暗いうちからの掃除を済ませ、空っぽの冷蔵庫から食材を探す。冷凍してあったバゲットをカリカリに焼き、プロシュットやサラミ、チーズを大雑把に挟んで朝食にすることに。

大掃除で見つかった故・高橋 紘先生の湯呑にコーヒーを淹れる。早春を想い梅花図で。
もうどれくらい経ったかな。青梅の窯場から豆腐を買いに来てくださる度、「これどうぞ」とポケットから小品を出してくださってねぇ。

今思うと、いちだんと感謝です。





2021年1月1日金曜日

Enishi

2020が終わりました。ボクにとって2019と2020は忘れられない年となりました。さて、2021はどんな年になるのだろう。

今日、ひとつ年長の先輩に「二年半の恋愛が終わった」ことを報告された。62歳の失恋であります。我が家族も案じていましたが、日本橋で和食料理人である彼は大量の正月料理を持って来てくれました。

こっちが愛おしく思えるほど、彼はしょげていました。

2021年、彼に幸あれ。もちろんボクにも。