2023年1月29日日曜日

Old Spice

「少しキツいかな」と分かっていても、今宵は【Old Spice】をツイードの襟になぞる。
同世代の友人と夜の池袋で呑み。池袋は彼女たちの生まれ育った街で、多少他所も経験をしながら、今はまたブクロで暮らす姉妹であります。スティグ・リンドベリの包装紙の西武百貨店や、【ぶらんでーと東武】の東武百貨店が彼女たちの遊び場だったのであります。ボクにとってはたまに行く大都会でした。
彼女たちの手配のうどん店で、血糖値上昇を抑える薬を飲んでPM6:00からダラ呑みを。お互いこの街にトロリーバスや都電が走ってた光景も知ってるし、チョコレート色の国電車両も記憶にあるんだよね。同時代に生まれた幸せに乾杯をして、今年の新年会となりました。

ネオン光はLEDになりそれなりに健康的な今のブクロ、戦後の匂いがしたあの頃の昭和も路地裏に微かに残るだけ。帰路に酔ったボクが酔った二人を見送り、最後の「急行」間に合うように東口へと走る。フラカン(ホントは岡崎体育)の【深夜高速】が脳裏でリフレインです。ホームに着いて深呼吸する。寒い。




2023年1月19日木曜日

Identity

次女を迎えに成田エアポートに出向いた日、時間がありましたので酒々井のアウトレットに寄ってみました。ボクらが若かりし頃(1970年代~80年代初頭)に憧れたブランドが出店しておりまして、最近は見かけることも無かったので、ちょっと嬉しく懐かしく。ドラマ『傷だらけの天使』でショーケンが着用してた【BIGI】(当時は表参道)や松田光弘の【NICOLE】、みゆき通りの【DOMON]】や並木通りの【ROPE'】や外堀通りの【JUN】のJUNグループも。あと出来立てのラフォーレにあった【MELROSE】や【ミウラ&サンズ】時代にお世話になった【SHIPS】もあるではないか。もうお会いすることも出来ないと思っていた【SHIPS】以外の面々ともアウトレットで再会を。言葉は失礼を重々承知で、「ここで生存していたのだね」。あの頃は先端だった。あの頃のボクらにとっては高額な品だった。それでもバイトに明け暮れ、時には新宿のヤング丸井の月賦で買いに走ったっけ。
70年代の夢、もう現役はコムデギャルソンしかないのかね。



旧知のバーテンダー(グラスコレクター)が、「今のうちにHOYAクリスタルのハンドメイドグラスを買っておいた方がいいよ」とアドバイスをくれた。だいぶ以前(2009年)にクリスタル事業から撤退をしたのは知っていたけど、日本製のグラスにはあまり興味は湧かなかったからね。彼曰く「いやいや、一般向けの量産品ではないハンドメイドのラインは、当時の技術者による繊細で高品質な品に驚くぞ」とも。
とのことで、最近はオークションでHOYAを自分なりの視点から購入してみている。デザイン的な好みはあるけれど、これが結構どうしてかなりの逸品なのだよ。本場の西洋を超えようとしていたのか、日本人らしいと言えばらしいクラフトマンシップ故か。なぜ食わず嫌いをしていたのだろう、今さらながらHOYA凄いぞ。


2023年1月15日日曜日

Life antiques

今年で豆腐屋になって44年目になりました。開店当時は川越市内だけでも50軒以上はあった豆腐屋も、今では8軒が残るのみとなりました。まーね、当時から斜陽産業と言われてましたから。この街の同業者の中では、63歳のボクがそれでも若手なんだから笑っちまいます。これからの10年後はどーなっとるのやら。

30代の頃の夢で、昔から愛読していた本の著者である「白洲 正子様に豆腐を食べてもらいたい」ってことがありました。しかし白洲様は平成10年にお亡くなり、ボクの夢は叶うことも無くなりました。ただそれから少し経ち、お弟子(?)さんである青柳 恵介氏に送られた方がいて、数日後に青柳氏ご本人から葉書を頂戴したことがあります。

抜粋して。
『一時代昔、小生の骨董の師の秦 秀雄さんから 桜新町(秦さんが住んでいた町)に美味しいお豆腐屋さんがあるから今晩は湯豆腐を食べて行きなさいと誘われ、幸せな一夜を過ごしたことがあります。その際、「豆腐屋のような大変な仕事を受け継ぐ若者は絶えるだろう」と言われたことを覚えています・・・・・』
秦 秀雄さま、ただ今風前の灯火です。


昭和の寒い冬の夜の情景が浮かびます。いいなぁ、どんな会話がありどんな酒器で呑んだのでしょう。書斎の額に目をやる度に思いをめぐらしてしまいます。


定休日の今日、朝のうちから丸の内の【VIRON】にパンを買いに行く。それもボクらしくなく電車にて。たまたま偶然東京フォーラムでの【大江戸骨董市】でしたので、今さら骨董市でなど買うものは無ぇーだ!と思いつつも、源内焼の流れを汲む江戸末期の【屋島焼】を五枚入手してきた。それと知人の【ENGAWA】さんが出店していたので、角底のリキュールグラスをひとつだけ。ケチな漢で御座いまする。





2023年1月7日土曜日

Airport

帰国中の婿さんに会いに行っていた次女を迎えに成田まで。この時期の混雑した成田エアポートは好いねぇ、こっちまでコロナ前の今では懐かしくもある帰国気分を味わえます。それにしても閉店したままの売店やレストランの多いことよ、コロナの恐ろしさをあらためて実感いたしました。
カミさんもボクも老母の介護もあり、コロナ後の先の見えぬ景気もまだまだ不安だらけ。自身、あの楽園にはいつになったら飛べるのだろうか。飛びたいね、春だもの。

鶯餅で。



2023年1月6日金曜日

Top notch

年末にブログ・インスタ用の鉄道模型を撮ったとき、うっかり作業中に模型の外箱を踏んでしまいましてね。天賞堂さんに電話して問い合わせたところ、先日入荷の連絡をいただき、本日伺うことに。まーね、D51を踏んでしまったら泣いて済むことではなかったけれど、外箱とは言え大切な一部だもの、ありがたく模型の聖地の扉を開いた。この店は鉄道模型の最高峰がズラリですから、いつ来てもあの頃のワクワク感が溢れ出てきます。ありがたいことに無料で分けて頂き、ナイスミドルの3人のスタッフにお礼を述べて銀座八丁に。無料だから褒めるわけでなく、天賞堂スタッフの受け答え立ち振る舞いこそ銀座たる所以かな。一流とは、、、感謝いたします。

朝飯が早朝でしたので、空腹に耐えかねこれまた早めに西銀座のウエストに。紳士淑女の中でハムトーストサンドをパクつき、好物のバナナサンデーもついばむ。ボクはまだ冬季休業中ですけど、松の内とは言え街はバリバリと動き出してます。







2023年1月3日火曜日

Kiriko glass

冬の豆腐屋の手荒れは宿命です。それにここ数年のアルコール消毒が拍車を掛けてザラザラでガサガサですよ。今日は連休4日目、掌のひびわれも【桃の花】でそこそこリカバリーされました。以前、初訪問の門仲の鮨店で、主に「あんた豆腐屋かい?」と当てられた。「水仕事独特の赤みを帯びた掌だからさ」と。四十有余年もやってると、すっかり染み付いているモンですね。

古道具屋で島津薩摩ガラス製のロックグラスを入手する。未使用品とのことでした。普段はロックグラスはバカラオンリーですが、珍しくシンプルな日本製に手を伸ばしました。昨今の江戸切子然り、日本の切子は芸術性が過ぎますので、本来の実用から離れて久しい。グラスは酒を呑む道具であってほしい。この製造元も江戸期の薩摩切子の復刻が主ですが、これは切子と言うより鉛ガラスの面取りで、被せ部分も黄色ですから主張も少なく気に入りました。厚く重いからこその安心感、掌で遊ぶには充分な塊です。





2023年1月1日日曜日

2023

毎回のこと、夏季休業や正月連休時に入ると必ず熱が出ます。そんな緊張の毎日を送らねばならない仕事ではないのですが、不思議と糸が切れる瞬間があります。今回は熱は出ることもありませんでしたが、30日夕方、本年度最後の宅配の荷を送り出すと間もなく深い眠りに堕ちました。
目が覚めて、あらためて無事にこの一年を過ごせたことと、これからの一週間の連休に安堵しております。街も静かになり、手伝ってくれている次女も、一昨日に成田から旦那が滞在中のかの地に。さて、明日の仕事を考える必要も無いので呑みましょう。一年の締めくくりですからね。

大掃除やら買い出しやらでバタバタと大忙しの大晦日、またまた寝落ちして紅白も見過ごした2023のこの時間、明けましておめでとうございます。