2025年2月27日木曜日

Calligraphy

たまの外食も外呑みも、還暦を過ぎた頃からほぼ「いつもの店で」に。それ以前までの「あれも食べたい、あそこに行ってみたい」との欲望が枯渇したようです。年齢のせいでしょうかね、新しいモノにチャレンジするリスクより、無駄なくいつもの安心感に身を置く方を選ぶようになりました。

子供の時以来で墨を調達する。半世紀以上の空白の時間がありますが、ここでまた書道の真似事などと考えてまして。小学生の時に姉と2年間お稽古に通い、中学校に進学した姉がやめると同時にボクも追随。たまたま父の遺品から硯が出て来たもので、ちょっとチャレンジ気分です、ハイ。


古梅園 奈良墨老舗の古墨を入手する。38年経過の1987年製造であります。墨表には足首の鈴を鳴らしながら舞い踊り、頭部後ろで琵琶を打つ天女の図であります。『反弾琵琶舞』と言うらしい。神々しくて、これじゃぁ墨磨りできないなぁ。できることなら根付にして帯に潜らせたい。

水滴は印判の油壷がよろしいかな。

いつもの悪い癖、先ずは恰好から。



2025年2月23日日曜日

JUN

ボクが思春期を迎える頃(1970年代初頭)は第二次IVYブームでありまして、毎月メンクラ(MEN'S CLUB)の発売日が愉しみでねぇ。一応、時代の波に乗っていないとね。
そうは言ってもボクはVAN派ではなく、どこかマイナーなJUN派でありましたが。

当時モノのJUNの販売用紙袋が出品されていたのね。それも未使用美品なんだもの。当時は『VAN』or『JUN』の紙袋を持って歩くのが流行(はや)りでね。今また脇に挟んでみゆき通りでも闊歩しようかと即ポチ(¥1,250)で落札。

届いてみたら、サイズが縦約19cm 横約10cm マチ約4cmの手のひらサイズでござんした。相変わらず説明書きを読めない悪い癖、常に思い込みで生きてます。

ところで、雑誌のメンズクラブが去年で休刊していたことを知りました。雑誌の休刊は廃刊てことですかね。寂しい・・・



2025年2月17日月曜日

Shizuka ni kagayaku

昨今のインテリアショップものぞくのですが、どこにもボクの琴線に触れるものが無いのだよ。室礼として醸し出す空気感は、やはり時を経た品の方が落ち着きます。

机上の友として、古いクリスタルガラス製のビルヂィングを古道具商で購入。高さ12cmであります。モデルとなったビルヂィングは、マンハッタン島のエンパイアステートビルヂィング(1930年施工)であります。70~80年代の米国土産でしょうかね、下部に写る紙張りの木箱の中で眠っておりました。


和菓子の『空ノムコウ』ですが、今日はカットしてモーゼルの硝子器に乗っける。んで、大人は少量のダークラムを垂らすのだ。




2025年2月11日火曜日

Asakusatanbo

カミさんがタンシチュウーを食したいとのことで上野の『ぽん多 本家』に。そしたらいつもより行列が長く、一巡目は無理と判断してそのまま三筋の鰻店『やしま』に向かう。ありゃりゃ、着いてみたら新装新築で長期休業中でないの。これじゃメシ難民でございます、いやはや困りました。
フッと思い出し、浅草花柳界の中にある釜飯の『むつみ』に向かう。少々予約時間までありましたので、『ペリカン』で食パンとバターロール、『徳太樓』で江戸上生菓子を数点購入する。どちらも日曜定休ではありますが、旗日は営業してくださっている。

今日は浅草に行く予定はなかったが、結局浅草だけで過ごす休日でございました。
なんとも言えん和装の着こなしだが、そこはご愛嬌であります。だって観光客だもの。浅草寺の境内にて、美しきチャイニーズに思わず「ビューティふぉー」と声を掛けお写真を。

昨今は東京の和食も京風数寄屋が主流ですが、『むつみ』は江戸の入れ込み座敷であります。タイムトラベラー気分な郷愁漂う昭和風情でもあります。この煮物盛り合わせを見よ、ここに見事な江戸があります。関西人ならオッタマげるような甘辛い玉子焼きと海老しんじょも追加する。
カミさんは五目でボクは生帆立の釜飯を。出汁を吸った飯が熱々のうちに、杓文字で混ぜてレアに仕上げる。

江戸らしいねぇ、たまんねぇなぁ。










2025年2月10日月曜日

Hikarimono



年が明けてから、まーったく外呑みや外食をやらなくなった。日帰りの京都以外は上野の「ぽんた 本家」で独り飯をしただけかな。体力も欲求も失せたわけではないけど、お金と精神の停滞期なのかね。


幼稚園に入園する孫の運動靴を買いにオニツカタイガーまで。先月は「インバウンドも落ち着いたね」だった銀座は大混雑で、それも分からぬ言語が飛び交う異国状態なのね。オニツカタイガーで日本人はわが家だけでした。
ただし、デパのバレンタインデー催事場と食堂街だけは日本人で満杯。松屋の催事場に先日の『エンガディナー』が並んでいたので、ショコラは買わずに6箱購入。うれし。

今夜も家呑み。銀座三越で『いづう』が期間限定で出店していて迷ったが、今宵は四谷の『八竹』で買ってきた鯖と小肌の黄身鮓をアテで。美味しいモノは美しい。

2025年2月2日日曜日

Processed soy product

いろいろと新豆は入荷しておりますが、ボク自身「お米とは違い、新豆イコール美味い豆腐ではない」との考えでありまして、徹底した管理の低温倉庫でお眠りいただき、夏を越えてから目覚めていただこうかと思っております。
それがですね、「どうしても新豆のお豆腐を食してみたい」とのご要望がありましたので(なぜか関西人に多い)、三月初旬からから永田農法の青大豆(秘伝種)の製品だけですが、2週間だけ製造いたします。秘伝大豆は晩生種で除草剤も使用しておりません。豆乳、絹ごし、織部豆腐(翠薫香)、おぼろ豆腐・ざる豆腐(なごり雪・大小)であります。もし御興味がございましたら、どうぞお持ちしております。




豆乳の利用法。
淡い鰹出汁で牡蠣を煮すぎない程度に火を入れます。その煮汁(濾して)を基本の出汁とします。溶き卵と適量(出汁の四分の一ぐらい)の濃豆乳とを合わせて蒸し器の中へ。濃豆乳を入れることで一般の茶碗蒸しとは別物、旧西鎌倉プリンのようななめらかできめ細かな素地になります。(※この場合、どの豆乳でもいいワケではありませんよ、出来を左右いたしますので)味はきっと御想像以上であります。

蒸し上がったら牡蠣を乗せ、銀餡(葛粉でおねがい)を流して出来上がり。今回の場合、牡蠣だけで他の具は一切要りません。振り柚子なんかやめてね。

ご緒贔屓様の修善寺の料理旅館の板長伝です。食は知性でございます、お試しあれ。