2025年4月10日木曜日

Hamaguri

昨日、本年度初となりますミドリカメムシと遭遇いたしました。ああ、もうすぐ『夏は来ぬ』であります。
本日、警視庁捜査一課を名乗るサギ電がありました。ハキハキ受け答えをいたしましたら、あっけなく切られてしまいました。ケッ!



豆腐で遊べ。

今年も浜栗(蛤)の旬が間近となり、少し早いが鹿島灘より取り寄せました。んで、恒例の摺り流し作る。ひたひたの水と適量の塩で煮て、口が開いたら一晩の放置プレイを。その濃い目の煮汁と水切りした同量の絹ごし豆腐をフードプロセッサーでなめらかに。筒形向付に流し込み、カットした身と山椒の佃煮を置き、微量の醤油で味を調えた煮汁ジュレを掛けまわす。豆腐によってドロリ感が生まれ、ヴィシソワーズのような喉ごしに。クレームドゥーブル(固形分を高めた高脂肪クリーム)を少量掛けまわしてもエエよ。今回から山椒は京都宮川町の『津乃吉』謹製で。思い描いていたシミュレーション通りに仕上がれば、まーね、簡単でそれなりに品よく旨いです。香るチーズ系の焼板を添えて。

『食』は知性でございます。



2025年4月6日日曜日

CountryGentleman

朝飯の時に日テレを観ていましたら、「購入した豆腐を洗うか?洗わないか?」をアンケートしていたのね。当店でもたーまにお客さまに問われるコトですが、結果は大半が「洗わない」方でございました。番組内では池袋の豆腐屋さんも「豆腐を洗うんですかぁぁぁ⁈」と苦笑していましたが。
だいぶ以前に「おぼろ豆腐(汲み出し豆腐)を洗ったら、流れて無くなっちゃったのだけど」と苦情をいただいた記憶があるけれど、それをしなくてもいいように、手洗いはじめ衛生面には気を付けております、ハイ。

『ざる豆腐』と『翠薫香(二色木綿)』に使用する青大豆ですが、本日『秋田みどり』種から『秘伝』種となりました。どちらも八郎潟の大越昇氏による作品でございます。『おぼろ豆腐』や『豆乳』もろもろは、順次2~3日後から秘伝種となります。緑色は優しくなりますが、力強さはそのままで糖度はアップいたします。





2025年3月26日水曜日

Yukiguni Marche

インスタにて「いいね!」をくださるお豆腐屋さんが、有楽町交通会館でのマルシェに出店していたので訪ねることに。同業者さんとの交流はほぼ皆無なボクですもの、面識有りません。


雪深く水清き妙高からはるばると、『とうふ工房 矢代』さんであります。「おおっ、ボク以上に太目」です。自分では製造していない湯葉が好物なもので、黙って買って帰ろうと考えていましたが、その愛らしき風貌についお声掛けを。
短時間ではありましたが、ボクの気づかぬところで過去にご縁があった話や仕事の話など、視線を外すことなく話される姿にこちらまで(胸が)熱くなる。たくさんの未来がある人間たちの「熱さ」でしょうかね。うらやましいぞ。


まずはその湯葉を調理する(写真①②)。湯切りしたしゃぶしゃぶ肉に同量の温めた湯葉を乗せ、葛製亀甲餡と少量の豆乳を掛け流す。普段食すは霜降りより赤身ですが、この場合は霜降り肉の方が食感や湯葉との絡みが好い。今回は前沢牛で、最後にブラックペッパーを少々。
『とうふ工房 矢代』さんの湯葉は実に重厚な漢(おとこ)湯葉であります。湯葉単体で愉しむのも好いが、肉と絡ませても主役としての立ち位置は同等、いやいやそれ以上でありました。


別れ際に「これも食べてみてください」と油揚げをいただいだ。原材料大豆は高糖度な信州産ナカセンナリ種100%とのこと。
これはサラダっつーか和え物で(写真③)。本当はもっと油揚げを前面に出したいのだが、旬の春野菜のバイプレーヤーとして使わせていただいた。細切りにして、オーブンで焦げない程度に熱する。己の油でカリカリに。ルッコラやフキノトウ(素揚げ)や香菜など癖の多い春野菜の中で、いやいやどーして、かなり面白い自己主張を展開してくれます。エキストラバージンオリーブオイルと塩と柑橘で。

『食』は知性でございます。

んで、酒は1970年代の『DEWAR'S White Label』を(写真⑤)。




2025年3月24日月曜日

Kuramae

昨今は部位ごとに趣向を凝らして食べさせる進化系が増えていますが、ボクはスタンダードな王道系のとんかつ(『ぽん多』さんではポークカツレツです)が好みであります。東京にはあまたのとんかつ店がありますが、まったくタイプは違えど御徒町の『ぽん多』さんと蔵前の『すぎ田』さんが二大巨頭ではないかと。

んで、台東区寿の『すぎ田』さんにご招待で揚げ物三昧を。焼き鳥店の銀座バードランドの主である和田さんに、夫婦共々御馳走になる。ココはいつも行列ですが、前日に『すぎ田』さんの主がテレビ出演だったらしく、いちだんと大混雑の店前であります。サウナに入るように「あい(相)すんませーん」と手刀を切りながらカウンター奥の和田氏の元に。

(写真①②③④)ハムサラダから始まり、特大エビフライ、ポークソテー、ヒレとロースカツをシェアしながら胃袋限界マックスに。ウヰスキーでフランベされたソテーの旨さと風味に咀嚼を忘れる。コレは豚肉のキャラメリゼではないの。とんかつもソースは使わず、とーぜん醤油数滴で食すことがボク流であります。んで、旨さの頂点でボクの舌の上に。

この人だからこその美味、料理人杉田氏に脱帽であります。





2025年3月21日金曜日

Hachiku

今月で大阪鮓の『四谷 八竹』が廃業されると聞き、急いて予約を入れたのが半月前のこと。そして最後の折り詰めを取りに行ってきました。昭和の終わり頃に知人にご馳走になってから、わが家でも数十年の間通わせていただいた。大切な方への勝負の手土産として、歌舞伎役者への楽屋見舞いとして、もちろん自家用としてがいちばん多かったのだが。

ベテランの職人たちも年を取り、どこの世界でも同じように、ここでさえ若い働き手不足とのこと。神楽坂の『大〆』が廃業し、築地の『八竹』(旧・原宿『八竹』)もだいぶ以前に閉められていて、これで東京の大阪鮓は消滅ではないかな。

コロナ禍以降、本物の伝統手仕事がどんどん消えて行きます。繁盛店でありながらの廃業は、たくさんの常連客にとって落胆と悲しみであります。





2025年3月6日木曜日

Unfounded fears

山桜桃梅(ゆすらうめ)の花が咲きました。いよいよ春ですかね。

次女の義兄が台湾からお出でになり、たまには奮発して鰻など。GINZA SIX『日本橋 鰻 伊勢定~蓮~』であります。基本、このビルヂィング自体高額ラインの店ばかりで、とてもとてもボクには場違いでありましてね。たまたま焼き手職人に近しい知人がおりまして、ご紹介により本日初訪問となりました。

それがですね、まったくの杞憂でありました。鰻は江戸前辛口で、ハンパない最良な「焼」の状態でともされます。器も料理も美しく、サーヴィスも行き届きたいへん居心地が良い。いやぁ、それでいてあの値段は申し訳ない、ってな感じでありました。次回から、鰻はここにいたします。
13階全体がサロンのようでございます。何が違うって、客層の風体身なりがかなり上質であります。

それだけが少々コンプレックスではありますが、ボク。





フェイスブックを退会いたしましたので、何かご伝言のあります方はインスタでお願いいたします。または一気に公開されずに承認制ですので、ブログのコメント欄でも。

2025年3月3日月曜日

Tako karakusa

と或る寂れた城下町、入るのも躊躇う間口も狭い旧い日本家屋で、扉を引くとネルソンズの太目の人に似た主が「いらっしゃいませ」と。以前、目白にあった『古道具 坂田』みたいな室礼で、四隅も暗い乳白電笠の仄かな灯だけです。アンティーク使いもこれ見よがしは感じられぬ静けさでね。たまたまなのか、ここで一度も他客に会ったことがない。魔訶不思議なブーランジェリーであります。

こーゆー雰囲気、好み。

宵の肴で。



2025年3月2日日曜日

Onkashitsukasa

京都でも横浜でも鎌倉でも川越でも、観光客ウケしているモノは皆同じような品で、もちろん第一条件は映えていて安く簡単に食えるものであります。それが悪いって言っているワケではないし、そのボクだって横浜の中華街で食った串に刺さった飴コーティングの苺に、「あれぇ、意外と美味いじゃねぇの」と妙な納得をしたりしてましたもの。

それはソレこれはコレで、やはり歴史や職人の志から生み出された名品が好みなのであります。んで、泉南の貝塚市『塩五』さんから「村雨」と「千家松葉」をお取り寄せ。
村雨にはザッハトルテのように八分立てのクレェームドゥーブルを添えます。ザッハトルテではチョコレートのビターさを和らげるらしいが、村雨の場合はウェットな濃厚さとコクをプラス。ホイップならやらぬ方がよい。

甘味でお酒。良い子は真似をしないように。




2025年2月27日木曜日

Calligraphy

たまの外食も外呑みも、還暦を過ぎた頃からほぼ「いつもの店で」に。それ以前までの「あれも食べたい、あそこに行ってみたい」との欲望が枯渇したようです。年齢のせいでしょうかね、新しいモノにチャレンジするリスクより、無駄なくいつもの安心感に身を置く方を選ぶようになりました。

子供の時以来で墨を調達する。半世紀以上の空白の時間がありますが、ここでまた書道の真似事などと考えてまして。小学生の時に姉と2年間お稽古に通い、中学校に進学した姉がやめると同時にボクも追随。たまたま父の遺品から硯が出て来たもので、ちょっとチャレンジ気分です、ハイ。


古梅園 奈良墨老舗の古墨を入手する。38年経過の1987年製造であります。墨表には足首の鈴を鳴らしながら舞い踊り、頭部後ろで琵琶を打つ天女の図であります。『反弾琵琶舞』と言うらしい。神々しくて、これじゃぁ墨磨りできないなぁ。できることなら根付にして帯に潜らせたい。

水滴は印判の油壷がよろしいかな。

いつもの悪い癖、先ずは恰好から。



2025年2月23日日曜日

JUN

ボクが思春期を迎える頃(1970年代初頭)は第二次IVYブームでありまして、毎月メンクラ(MEN'S CLUB)の発売日が愉しみでねぇ。一応、時代の波に乗っていないとね。
そうは言ってもボクはVAN派ではなく、どこかマイナーなJUN派でありましたが。

当時モノのJUNの販売用紙袋が出品されていたのね。それも未使用美品なんだもの。当時は『VAN』or『JUN』の紙袋を持って歩くのが流行(はや)りでね。今また脇に挟んでみゆき通りでも闊歩しようかと即ポチ(¥1,250)で落札。

届いてみたら、サイズが縦約19cm 横約10cm マチ約4cmの手のひらサイズでござんした。相変わらず説明書きを読めない悪い癖、常に思い込みで生きてます。

ところで、雑誌のメンズクラブが去年で休刊していたことを知りました。雑誌の休刊は廃刊てことですかね。寂しい・・・



2025年2月17日月曜日

Shizuka ni kagayaku

昨今のインテリアショップものぞくのですが、どこにもボクの琴線に触れるものが無いのだよ。室礼として醸し出す空気感は、やはり時を経た品の方が落ち着きます。

机上の友として、古いクリスタルガラス製のビルヂィングを古道具商で購入。高さ12cmであります。モデルとなったビルヂィングは、マンハッタン島のエンパイアステートビルヂィング(1930年施工)であります。70~80年代の米国土産でしょうかね、下部に写る紙張りの木箱の中で眠っておりました。


和菓子の『空ノムコウ』ですが、今日はカットしてモーゼルの硝子器に乗っける。んで、大人は少量のダークラムを垂らすのだ。




2025年2月11日火曜日

Asakusatanbo

カミさんがタンシチュウーを食したいとのことで上野の『ぽん多 本家』に。そしたらいつもより行列が長く、一巡目は無理と判断してそのまま三筋の鰻店『やしま』に向かう。ありゃりゃ、着いてみたら新装新築で長期休業中でないの。これじゃメシ難民でございます、いやはや困りました。
フッと思い出し、浅草花柳界の中にある釜飯の『むつみ』に向かう。少々予約時間までありましたので、『ペリカン』で食パンとバターロール、『徳太樓』で江戸上生菓子を数点購入する。どちらも日曜定休ではありますが、旗日は営業してくださっている。

今日は浅草に行く予定はなかったが、結局浅草だけで過ごす休日でございました。
なんとも言えん和装の着こなしだが、そこはご愛嬌であります。だって観光客だもの。浅草寺の境内にて、美しきチャイニーズに思わず「ビューティふぉー」と声を掛けお写真を。

昨今は東京の和食も京風数寄屋が主流ですが、『むつみ』は江戸の入れ込み座敷であります。タイムトラベラー気分な郷愁漂う昭和風情でもあります。この煮物盛り合わせを見よ、ここに見事な江戸があります。関西人ならオッタマげるような甘辛い玉子焼きと海老しんじょも追加する。
カミさんは五目でボクは生帆立の釜飯を。出汁を吸った飯が熱々のうちに、杓文字で混ぜてレアに仕上げる。

江戸らしいねぇ、たまんねぇなぁ。










2025年2月10日月曜日

Hikarimono



年が明けてから、まーったく外呑みや外食をやらなくなった。日帰りの京都以外は上野の「ぽんた 本家」で独り飯をしただけかな。体力も欲求も失せたわけではないけど、お金と精神の停滞期なのかね。


幼稚園に入園する孫の運動靴を買いにオニツカタイガーまで。先月は「インバウンドも落ち着いたね」だった銀座は大混雑で、それも分からぬ言語が飛び交う異国状態なのね。オニツカタイガーで日本人はわが家だけでした。
ただし、デパのバレンタインデー催事場と食堂街だけは日本人で満杯。松屋の催事場に先日の『エンガディナー』が並んでいたので、ショコラは買わずに6箱購入。うれし。

今夜も家呑み。銀座三越で『いづう』が期間限定で出店していて迷ったが、今宵は四谷の『八竹』で買ってきた鯖と小肌の黄身鮓をアテで。美味しいモノは美しい。

2025年2月2日日曜日

Processed soy product

いろいろと新豆は入荷しておりますが、ボク自身「お米とは違い、新豆イコール美味い豆腐ではない」との考えでありまして、徹底した管理の低温倉庫でお眠りいただき、夏を越えてから目覚めていただこうかと思っております。
それがですね、「どうしても新豆のお豆腐を食してみたい」とのご要望がありましたので(なぜか関西人に多い)、三月初旬からから永田農法の青大豆(秘伝種)の製品だけですが、2週間だけ製造いたします。秘伝大豆は晩生種で除草剤も使用しておりません。豆乳、絹ごし、織部豆腐(翠薫香)、おぼろ豆腐・ざる豆腐(なごり雪・大小)であります。もし御興味がございましたら、どうぞお持ちしております。




豆乳の利用法。
淡い鰹出汁で牡蠣を煮すぎない程度に火を入れます。その煮汁(濾して)を基本の出汁とします。溶き卵と適量(出汁の四分の一ぐらい)の濃豆乳とを合わせて蒸し器の中へ。濃豆乳を入れることで一般の茶碗蒸しとは別物、旧西鎌倉プリンのようななめらかできめ細かな素地になります。(※この場合、どの豆乳でもいいワケではありませんよ、出来を左右いたしますので)味はきっと御想像以上であります。

蒸し上がったら牡蠣を乗せ、銀餡(葛粉でおねがい)を流して出来上がり。今回の場合、牡蠣だけで他の具は一切要りません。振り柚子なんかやめてね。

ご緒贔屓様の修善寺の料理旅館の板長伝です。食は知性でございます、お試しあれ。




2025年1月29日水曜日

Neo Wagashi

京都出町枡形の割烹店、『西角』の御主人から御菓子の包みが届く。意外や意外、あの名店ひしめく京都の御菓子司ではなく、今、伝統和菓子界のトップ寵児である山形の『乃し梅本舗 佐藤屋』でないの。ボクも都心デパに出店時は必ず購入いたします。ただ、この『エンガディナー』は初であります。スイスの伝統菓子がベースのネオ和菓子とのことですが、これは美味い。胡桃を詰め込んだミルキィなキャラメルをクッキーで包み、テクスチャーも他店のよりずっとシっとりでズっしりと。至上の美味いモノを知っているのだろうね、ここの店主は。じゃないと作れんよ。


2025年1月26日日曜日

JAPANESE MODELS BOOK


近所の友人と日本蕎麦屋で呑み、腹はイッパイになったので帰宅。ただしビールとハイボールでは酔えなかったので、帰宅後に書斎BARでウヰスキーを追加呑み。つまみは京都で買ってきたマリベルのセカンド店カカオマーケットのやつで。
やたらヤングであふれたショコラティエでありますが、これは酒のアテとしたら佳品なので若造に混ざって並ぶのも毎度のこと。でも、これっちんべェで高くねぇーか?

先日入手したアールデコ期の硝子の器に乗っけて遊ぶ。



土曜日の夜は精神が解けまする。


たまたま時間潰しで入った古書店で、戦後の50年代の黎明期から1990年代までの女性モデルの写真集をご購入。幼少期の物心ついた頃から、可愛い系よりモード系のカッコイイ女子しか視界に入らず。

【JAPANESE MODELS BOOK】(同文書院・1995年)