2019年8月14日水曜日

The House of the Rising Sun. 

杵築市にて。
この街、手入れの行き届いた武家屋敷や保存状態の良い豪商の屋敷などが多いけど、
公開されてる無人の文化財よりも、今も人が住んでる古い家が壺。
あっ、廃墟もデェ好きよ。









     

城郭や武家屋敷や古い商家なら文化財とやらで保存されるけど、
なぜか遊郭や花柳界の文化は黙殺されて朽ちるだけなのね。
ついつい旅先で訪ねてしまうのはそんな跡地。
観光案内所の旦那さんが『旭楼』の存在を教えてくださった。

正面は洋風建築の旧産婦人科の看板があり、
裏に回れば見事な木造三階の妓楼建築です。
産婦人科以前は大籬な『旭楼』なる娼館で、
一時、あのオペラ歌手の藤原義江も芸者(女郎?)の母と住んでいたのね。
スコットランド人の商人に棄てられ、
混血児の子供を連れ九州を転々と流れ、たどり着いたは杵築の『旭楼』。
詳しくはWikipediaでどーぞ。
まんま「The House of the Rising Sun」ではないですか。
戸籍も無かった他人の義江を認知した妓楼主、以後藤原姓を名乗れた義江、
ここではどんなドラマがあったのだろう、などと思いを巡らしてしまいます。

それにしても大籬の妓楼から産婦人科病院ってのも驚いたが、今は朽ちた廃墟、
高尚とは対極だけど、これだってひとつの歴史的文化財なのだが。
この街にはたくさんの魅力的な建築物が残っているのに、皆風前の灯火であります。





観光客もまばらな杵築の街を歩く。
やはりその案内人さんに教えてもらった老舗洋食店で昼食を。

味、ポーション、サーヴィス、こちらが頭が下がる良店です。
この旅では、ひとつも外れが無しだったことが嬉し。



そろそろ大分空港に向かわねばと駐車場に戻り、
最後に気になってた骨董屋による。

骨董『晨』ASAさんに。



ボクの決め事、必ず旅の思い出に一品を購入すること。
ここでは大正以前のプレス硝子小皿5枚組に。


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