2010年6月15日火曜日

きれい寂び

最近は現代陶芸の個展に行かなくなりました。
いろいろ彷徨ってはみたが、
結局オジの使いたい器は骨董に多かったからなんじゃ。

現代陶芸で、最後に入手したのは八木 明さんの作品です。
この方の作品の多くは、一見斬新に見えるけど、
造形的にあまりの几帳面過ぎる規則正しさで、
その禁欲さに、見るたび緊張を強いられてしまうんだね。
オジには正直息が詰まるんだな。(フゥ~)

   

ところが或る日の個展で見つけた徳利、
 (おお、よろしいおすなぁ)
洋ナシの様な瓢胴、危うい注ぎ口、
青磁と呼ぶにはそこはかとない釉薬使い、
個展会場一周で、その残像がオジの脳髄に。(琴線プルプル)

入手してみた。

徳利の口は縁に向かい紙のように薄くなり、
危う過ぎて酒器で使ったことなどありません。

とうぜん季節は今、夏椿一輪の為の花器となります。

因みに昭和の天才陶芸家・八木 一夫氏がお父さんです。
一夫氏の『刻々の炎』(1981年)は、素晴らしき名著ですぞ。

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