2008年9月14日日曜日

父の戦地

     父の戦地・北原亞以子著

ずいぶん前だが、ご本人から著書を送っていただきました。

直木賞作家、北原亞以子さんからの『父の戦地』です。

本好きのオジには速読は精神的に無理なもんで、やっと今日読み終えました。

たまにいただくプレゼントも、電話の会話でも、FAXでの豆腐の注文でも、
「ハァッ?」って感じの、可愛い不思議少女のような女性(ひと)です。
とっても小さい身体で、けして人を押し退けて前に出る人ではない。(人生も)
『吉川英治文学賞』の受賞式で、誰よりも小さい亞以子さんが、
静かに受賞の喜びを語った姿は、今も良き場面としてオジの脳裏にあります。

『父の戦地』ですが、
まぁオジの年齢では、情景的にどうしても目に浮かばない場面もありますが、
理不尽な時代の中で、出征した者と残された者たちの生活が伝わってきます。
よくテレビドラマでやってるような泣かせる感動は無く、
その時代の普通の一般家庭に起きていた事実が、やはり淡々と描かれていました。
戦地から届く父からの手紙だけで、その沢山の真実(親としての)が分かりました。

あの朗らかな不思議少女の亞以子さん、
心の奥底で、「いつの日にか」と考えていた作品だと思えます。
オジには時を超えた父と子の往復書簡の気がします。

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