2026年3月1日日曜日

CINEMA

暖かくなりまして、ちょっと早いけど階段上の電笠を寒色系にチェンジしました。


出かける予定が変わって、お籠りな日曜日(定休日)であります。

先週に柳橋を歩いたことで、そこが話の舞台であります映画を数十年ぶりに鑑賞を。『流れる』であります。成瀬巳喜男監督の1956年(東宝)制作のモノクロ映画で、幸田 文の原作小説です。当時の東京や花柳界の風景を知ることができ、またモノクロでありますが着物が江戸好みであります。
凋落の一途の芸者置屋を描いてますので、明るい作品ではございません、あしからず。


山田五十鈴さんのセリフの「一本つけて頂戴」にその気になって、鑑賞のお供は普段は呑まない日本酒にする。神棚用を失敬いたしますよ。肴も手っ取り早く味噌豆に。

じいさんのたわごとではありますが、昨今の映画はまーったく観ないのだよ。小津監督や成瀬監督、三隅監督など、この時代で日本映画は頂点に達しちゃったのではないかと思う。山田五十鈴さんや田中絹代さんはもちろん、高峰秀子さん、中北千枝子さん、賀原夏子さん、皆演技がリアルそのもの。善人の奥にいる悪、悪人の中の善と、実社会では当たり前のことですからね。とくに栗島すみ子さんのデフォルメしていないあの凄味は何なのか?

すっかりやられちまいました。



柳橋「一新亭」の主にして日本で最後のアマチュア写真家・秋山武雄氏の写真集を古書店で購入する。作為の無い写真で、市井の人々がそこにいます。タイトルがささった。


2026年2月24日火曜日

Ki-Yan

 

煙草入れやキセル入れ、また戦前までの袋物や根付などは、女性モノより男モノの方が粋で凝ったモノが多いのね。でもアンティークで探してもなかなか良品は無いんだよなぁ。

男モノの粋な和装小物を探しているのだが、どーしてもその類の九割五分はファンシー(女性向け)な品しか見当たらない。銀座の松屋さんの「銀座名匠市」で、インスタで知る上七軒の和装小間物店『上七軒あだち』さんが出店していたのでのぞいてみた。やはり「カワイイなぁ」「キレイだね」的な品が多いが、唯一、ユニセックスなカード入れが見つかる。白茶のつづれ織りに蓮の刺繍で金糸の縁取りックのモノね。濡羽色もあったけど、黒に蓮ですと仏事限定っぽくなりますのでコッチを選択。「おおっ、いいじゃん」同系で長財布もありましたが、さすがに財布はコードバンの黒革と決めてまして。安い買いモノですいませーん。




帰宅すると、お得意様のお内儀から酒の肴が届いていた。
「あらら、うれし」
千葉県産浅利の串焼きであります。

んじゃ、以前にその旦那様から頂戴したグレンドロナックで、このさい夫婦和合といきますか。べつだん変な意味はありません。

2026年2月23日月曜日

Those days


台湾から帰国中の次女と赤坂詣でに。豊川稲荷さんですね。時間的に出遅れてしまいました。豊川さんの駐車場の狭さを考えて、銀座に駐車して銀座線で赤坂見附まで。彼女が結婚して遊んでくれなくなって久しい。エヘッ、お出掛けがちょっとうれしい。




参拝後、「鰻でも食うか?」と問えば「イタリアンが好い」とのことで移転したばかりの老舗(銀座シシリア)まで。赤いチェックのテーブルクロスと各卓上にはタバスコもある。ニコラスやキャンティ同様、この昭和っぽさはアメリカ経由のイタリアンでしょう。休日ですからゴリゴリにニンニクまみれのパスタや懐かしいグラタンやらクリスピーなスクウェアピザ(ピッツァではない)などをノンアルで。好いねぇ、なんでだか落ち着きます。だってさ、ベトナム戦争直後の米軍基地サイドのイタリアンで育ったボクだもの。

食後の甘味は銀座千疋屋に。ボクはマスクメロンパフェと次女は銀座パフェを。



2026年2月22日日曜日

Haruurara

月一早朝のお決まり、墨東奇譚でのヤボ用を済ませて、いつもの通り寄り道を。

♬ 春のうららの隅田川・・・♬


櫻花満開の半月ぐらい前からですかね、『長命寺のさくら餅』を入手するには大変な労力が必要となります。行列がすごいんだもの。だからほんの少し季節先取りで、本日開店時間に合わせて隅田の堤まで。今なら多少の待ちで買えまする。
甘味とするなら道明寺も好物ですが、この時季は無性に長命寺が恋しくなります。櫻葉三枚に包まれた白い薄衣のさくら餅、江戸趣味ながら淡く上品な美(味)しさです。コレは餅菓子の分類ではないような上等さがあります。江戸が誇る菓子の最上位でしょう。


『言問団子』も買ったので、『志”満ん草餅』はさすがに今回はやめておきます。とは思ったけれど、通過はできずにやっぱり買った。御三家勢揃い。日曜日でなければ菊最中の『青柳正家』で四天王だったのだが、残念。


時間があったので、戦前まで江戸の花柳界で最上位の格式を誇った柳橋を歩く。あの新橋より格上だったのだよ。幸田 文の『流れる』の舞台であります。ほぼなーんの面影も残ってはいませんが、お稲荷さんの石柱に当時の栄華が偲ばれます。朝飯抜きでしたので、言問い団子の都鳥最中を二個三個。

御徒町の『ぽん多 本家』で独り昼食を。ポークソテーと蛤のバターソテー(ハーフ)をノンアルとともに。もちろん白米に赤だしを付けて。食べることはボクの至上の幸せ。








2026年2月11日水曜日

Maraschino cherry


すんませーん、今週は豆腐絡みで商売を。ってことでもないんだけんど、たまたま定番の生クリーム豆腐を「おぼろ豆腐でお願いします」との料理人さまの御注文で、一週間限定で絹とうふではなくおぼろ豆腐でやります。価格はそのままで、容器は中から大になり、普通のおぼろ豆腐と同等の大きさとなります。かなりお得ですので告知しておきます。

また数日前の『桜梅桃李』のためにわざわざ足を運んでくださったお客さま、今回は店で販売するほど数が無くてすいませんでした。問い合わせも多く感謝いたします。


絹とうふより微量ニガリを減らしてありますのでトロリ感が前面にきます。また豆乳濃度が濃い分にじみ出る水分も少なく、料理の展開はさまざまにご利用可能かと。


トロリ感だもの、ボクは甘味系に流れます。軽くキューバラムに漬け込んだドライフルーツを添えて(天津甘栗を潰したのも好いよ)、タラリと豆乳か追いクレームドゥーブルを。甘味プラスを望む方は粉砂糖かメープルシロップを少量。好みでマラスキーノチェリーを。

2026年2月9日月曜日

Safflower

目黒区の日本料理店様のご注文により、久しぶりに製造いたしました『桜梅桃李』でございます。今回は本葛粉での凝固ではなく、にがり(粗製塩化マグネシウム)凝固での絹ごし豆腐であります。伊勢半の御料紅(完全受注生産)による紅の濃淡で表現してみました。中心部に向かい深紅となります。天然のベニバナによる食紅です。(器・1930年代東洋陶器製)


上生菓子のように(豆腐で)季節を愉しむことができたら面白いし、顧客と職人が話し合いながら作り上げるビスポークは嬉しいものでございます。この手のご注文、どんどんお待ちしております。基本、味付けの調味料やフレーバーは使用いたしませんが、今回はお客様のご希望でコアントローを適量流し込みました。また食すときの後掛けなら、杏露酒やあればチェリーマルニエ(終売)でも好いのではないかな。

豆腐を遊べ、うーんと遊べ。

料理の仕上がりは拝見していませんが、聞くところによると、コースの最後の水菓子で豆花(トウファ)みたいなモノとのことでした。

不定期で製造いたしますが、数に余裕があれば当店でも販売いたします。インスタにて告知いたしますのでよろしくお願いいたします。

2026年2月6日金曜日

Taishō Romanticism

長女がまだ幼子だったころ、毎夏になると宿泊した湯河原の『天野屋』さんにまた訪ねてみたくなり検索をしました。今度は孫も一緒にと思いまして。文化財に指定されるほどの歴史ある名旅館で、銘木を使った古き良き戦前の建築も細部まで美しかったのね。
検索してみると『天野屋』さんはリゾートトラストに売却され、2008年に取り壊されていたんだな。

ああ、悲し。

長女とレトロな娯楽室で遊んだことも懐かしや。その娯楽室は戦前はBARルームだったらしく、マホガニー色のカウンターやアールデコ意匠のバックバーも時を経てそのままでね。大正から昭和初期の紳士淑女の夢の跡に、今もう一度訪ねてみたかったですねぇ。

天野屋さんのはありませんが、金谷ホテル系の『鬼怒川温泉ホテル』(写真①②③)と逗子の『なぎさホテル』(写真④)の戦前の古絵葉書がありますので、古き良き時代の雰囲気をドーゾ。写真上をポチすると拡大します。