2021年6月30日水曜日

Fukuromono

変なところに凝り性な性格でして、昔からの江戸の粋「羽織の裏地の美学」に憧れを抱いております。まぁね、それって自己顕示欲の裏返しってコトだけど。
この私、長い期間を三社や鳥越で神輿担ぎをやっておりました。どんなに時代が流れようとも江戸は粋でございます、チラ見せの痩せ我慢漢たちの多いことったら。羽二重の誂え足袋、象牙やイッカクの根付、金唐革の袋物、煙草入れの前金具に古渡更紗の帯、頭皮の中に施された彫り物が総天然色の信貴山縁起だもの、さすがこれにはブっ飛んだ。

自ら自慢をしたら野暮の骨頂、粋と野暮は背中合わせってことなのね。




携帯用の茶道具や酒器用に、保護袋的な役割の『仕覆(しふく)』(の様なもの)を作らねばなりませぬ。かと言って素材が『金襴』『緞子』『錦』じゃボクらしくない。だから古裂屋さんで、面白い戦前の古布を購入したのね。デッドストックの反物だぞぃ。絵柄から分析すると1930年代の品かな。たぶんだけど車は『クライスラー エアフロー』、飛行機は『ダグラス DC-3』みたいです。どちらも亜米利加のカンパニーリミテドなのに、デフォルメされた日本の軍人さんもご一緒な不思議。ってことは、まだ開戦前の製品でしょうね。

だれか作ってくれないかなぁ、、、
ボクの場合、高い完成度は求めますけど、、、










2021年6月23日水曜日

53 Stations of the Tokaido.

先週の金曜日に母のコロナワクチンも無事終了。と思ったらお袋さん、帰路の途中に転んで大腿部骨折の悲劇、ボクが付き添いでついていながら申し訳ございません、でした。「救急車はイヤッ!」とのことで、痛がる母を車に乗せて大学病院に運ぶ。当たり前に診て頂けると思ったら大間違いで、それから5病院目でどーにか診ていただけました。おかげさまで即入院、昨日無事手術も終わりました。手術前にはせん妄まで起きたり、ここ数日はあたふたあたふたなボクでございました。

いやはや、母で知るいずれ訪れるであろう己の老後。もうすぐソコですよ。





んで、数日ブリの飲酒です。
カミさんが「父の日だから」と君嶋屋でモルトを数本買ってくださった。(愛してるよ、まりちゃん)
今日はアードベッグのニューリリースとこちらのアスタモリス 東海道五十三次シリーズの『戸塚』を。中身はオルトモア蒸留所の10年です。まーね、浮世絵マニアなものでジャケ買いで。それにしても何で戸塚なんだろ。希望はマクダフの『庄野』かカリラの『四日市』だったけれど売り切れで残念。もっとドラマティコな『蒲原』や『三島』あたりのラベルが欲しいねぇ。


肴は浅草『ほていや 中塚商店』で購入した『いかり豆』を。








2021年6月21日月曜日

TOKYO 2021

緊急事態宣言解除とは言え、以前の生活に戻ることはできるのかな。月曜日からの注文は増えてはいますが、またどうなるか流動的ですからね。ただオリンピックが近いからでしょうか、ここ最近は見かけなかった欧米人を今日は多々見かけます。

心配ごとある時は、四の五の言わず根津権現さんから波除稲荷さんにお参りを。まーね、その時々の願いごと次第で(信仰の)対象は変わりますが。今日は家内安全、商売繫盛を二礼二拍手一礼でお伝えいたします、なんてね。
取りたてて言うほど信心深いボクではないけど、日々「八百万の神さん」には助けてもらっておりますで。不思議に肩の荷が(気持ち)軽くなって行く思いです。

昨夜はかなり降りました。朝方はどよ~んと曇天でしたが、昼頃から快晴に。
朝食も摂らずに早出でしましたので、京橋のトシヨロイヅカのカフェで軽くやる。
昨夜の雨で多少の湿気がありますが、ビルヂィングの間を薫風が抜けて気持ち良いぞ。

気持ち良すぎて寝ちゃいそうです。



東京駅に駐車しましたのでフと思います。
ああ、、、新幹線にでも乗って、早く旅人になりテェ、などと。

2021年6月17日木曜日

Relieved

最近ホっとしたこと。ノザキのコンビーフの容器が金属から樹脂(?)に代わりました。あの鍵式巻き上げの金属容器で、数度出血事例の記憶があるんだな。べつだんボクは不器用なワケではないけど、コンビーフ缶は以外に深手を負うのだもの。トーストしたコンビーフサンドが好物なもんで。




わが家に隣接する東電の鉄塔下に、複数株のヨウシュヤマゴボウ(毒草)が大木化して蚊の寝床になっている。仕事終了後の雨の中、のこぎりで片っ端から伐採いたしました。まーね、10-20分で終わることだからボクがやりますよん。恐怖のナメクジと戦いながら。

作業中、足元に佇まいの良い野草を一輪目っけ。
自室に戻り、花唐草の鶴首に挿して候。

余談です。「はなからくさ」の変換で、トップが「鼻から草」でした。






2021年6月13日日曜日

WEST

ありゃりゃ、お江戸はけっこうな人出ですねぇ。銀座はコロナ以前とまではいかないけれど混雑しとります。目が覚めてから明日の仕事の下準備後に、無性に珈琲が飲みたくなって銀座まで車をブっ飛ばす。そしたら人人人で、目当ての専門店はだいぶ待ち時間有みたい。しょーがないね、西銀座まで歩いて『銀座 ウェスト』に落ち着く。ここでも40分待っての話だけどね。

冷房も強めで極楽極楽。上品な紳士淑女の店ですから、こんなボクにはびったしです。いつものメニューをスピーカーからのクラシック音楽とともに。なんてね、思わずサンドウィッチ持つ手の小指も立ってます。

娘二人も片付いてしまったので遊んでくれないし、カミさんも別用で今日は独りボッチ。それはそれで悪くはないんだけど、少し時間を持て余すのね。
まぁね、二週間ぶりに外気に触れただけでも良しとして、風月堂のカスティラの無人販売所で一個購入し、数寄屋橋で去年のサマージャンボ宝くじを換金し帰路につく。
ちなみに宝くじは300円×100枚買って9000円の当選金でした。








2021年6月8日火曜日

Balut

フィリピン在住歴の長かった長女が近所のベトナム食材屋でバロット(孵化直前のアヒルの卵)を買ってきた。ベトナムではチュンヴィットロンと言うらしいが。

超ハードボイルドに茹でてから「騙されたと思って食べてみて、美味しいから」と言うけれど、焼き鳥だって焼肉だって内臓系は食べないボク、レバニラさえ無理だもの。店選別でフォアグラは食うけど。

「マジかよ、毛(羽)が生えてるじゃんか」上部の殻を破って液体をすすり上げてみた。

いろいろと想像しちゃダメですよ、喉から落ちないからね。一緒にベトナムコリアンダーも忘れずに。

味は悪くはない、悪くはないんだけれどねぇ、ビジュアルで萎えてしまうのよ。


<<閲覧注意>>



ネコにゃんにゃんにゃん イヌわんわんわん カエルもアヒルもガァガァがぁ・・・・

「あのねのね」なんだけどね。

2021年6月6日日曜日

Takao Aeba

10キロの減量で出来なかったことが出来るようになった。片足立ちでソックスが履けるようになったのね。年齢的なことと思っていたけれど、なんてぇこたぁねぇ、ただ単にデブの弊害だったんだね。ここんとこ自分自身の再発見が多いですよ、ヘヘヘ、、、


だいぶ以前のこと、NHK『週刊ブックレビュー』で故・饗庭 孝男(あえば たかお)氏の随筆『故郷の廃家』を知り購入。司会者の児玉 清氏が、感動が静かに重く心に迫る随筆と表現していたような。なに気に入手した随筆だったけど、読み進むうちに何度か胸が詰まってしまいましてね。今もボクの至極の一冊であり焼き付いた心的情景なのね。


そんな随筆によって購入に至った茶碗がこれなのです。
これは江戸期に肥前で生まれた陶器だけど、初めて見た時にボクの心象風景と合致したしたからであります。器の景色が随筆の舞台である(びわ湖)湖西北なのね。枯れた陶土に刻まれている白象嵌は、骨董屋曰く「白雲に鶴」でしたが、ボクには雁(かりがね)飛び立つ湖西の夕暮れなんだよなぁ。
茶を愉しむことはイマジネーションの増幅だもの、ボクはボクで。

んで、銘は『湖西玉響(こせいたまゆら)』でどうかな。




2021年6月2日水曜日

Chinoiserie

今、入手したい(抹茶)茶碗があるのだけど、どーしよ。
江戸期の茶碗で、時を経た枯れ具合と掌にしっとりと馴染む風合いがとてもよろし。
還暦を過ぎたあたりから「これ以上、滅多なことが無いかぎり物は増やしません」と決めてはいたけれど、その滅多に無いことが今起きているのだよ。まーね、不思議にボクには「滅多に無いこと」が多いのも確かだけど。

も少し熟慮します。

たぶん購入するけど、、、

それがワタシの生きる道。



それとは別に、どこにでもあるウイローパターンの器蒐集が軽いライフワークです。ボクの場合「不揃いの美」を良しとしてますので、食器全般をセットで揃えることはしません。棚にはいろいろな時代のいろいろなメーカーが重なり合ってます。ちなみに豆助の朝食用プレートは、かれこれ10年以上一枚のSpode製です。
今回入手したコレは戦後間もなくの頃の品で、五寸(15,5cm)の雑器も雑器、瀬戸焼のブルーウイローの皿なのね。完成度が低いって言うか雑と言うか、磁土はパフパフ、銅板転写もおざなりな仕上なんだけどね。ところが骨董屋で(皿と)視線が合っちゃった。んで、皿に懇願されて(そんな気がして)お持ち帰り。美術館級だけが素晴らしい骨董じゃないんだぜ、っと。井戸茶碗しかり、こんな雑器こそ千年後には美術館に収蔵されるかも。そりゃ無ぇーわ。

楼閣、柳、恋人と恋敵、やがて悲劇の末に鳥となり羽ばたく二人、悲恋の物語が題材のシノワズリ柄なのに、くらわんか伊万里と同じに控えめでいじらしい。そんな佇まいに惹かれてしまうのだ。