2021年2月28日日曜日

Department store


生クリーム豆腐を和え衣に、干し柿と金柑と文旦と陳皮と大徳寺納豆の白和えで呑む定休日。(器・モーゼル)


都心のデパ地下によく行くのだけど、伊勢丹でも高島屋でも三越でも松屋でも豆腐の売り場に変化が無いのだよ。同じ日配品でもブーランジェリーや和洋菓子は次から次へニューフェイスが出てくるのに、豆腐は皆十年以上は顔ぶれが同じなんだよなぁ。期間限定の催事も決まった顔ぶれだし。それだけ豆腐は求められてないのだろうか。豆腐店に求められるイメージは今だ昭和の風情の店で、店頭の水槽の中で揺らぐ豆腐の姿なのね。テレビドラマに登場する豆腐屋は皆それだもの。まぁ御菓子類と比べ使う原材料が限られますから、表現できる限界も狭いのも確かだけど。そろそろニーアの世界観な豆腐があっても好いんじゃないかな。

高島屋の和菓子バイヤー・畑 主税氏のTwitterをよく覗くのだけど、時代の中での和菓子の進化がよく分かります。伝統を踏まえた上での御菓子も好いし、新しい感覚の御菓子も食指がそそられてしまいます。こんなお方が和菓子の世界の底上げを図ってくれているのだろうね。うらやましいでございます。


2021年2月26日金曜日

Sakurabana

ただ今、店の桜花が八分咲きです。


最近はどんどん前倒しになってしまってた体内時計も安定し、起床時間はだいたい午前二時に落ち着きました。おかげさまで目覚まし時計も必要も無く、その仕事までの余裕の時間はコーヒーを入れたりお茶を点てたり、けっこう愉しいひと時でございまいす。ただし困ったこともございまして、夕餉も終わるか終わらないうちに睡魔が訪れてしまうことなのね。たまに友人知人が遠来してくれても、午後八時、いやいや七時を過ぎる頃には舟を漕ぎだし、気を使った彼らが「そろそろお邪魔します」となるころには、完璧に白河夜船で見送りもできない失態続きなのね。これも老化現象なのだろうか。気力はあるのだけど肉体がついて行かない。これでいいんだろか。

今朝はそれより早く起床したので茶を点てる。携帯用茶器として重宝している故・辻 協さん(故・辻 清明さんの夫人)の向付に薄茶より少し濃い目にシャカシャカと。旧知の地元の和菓子屋(連雀町の伊勢屋)さんにいただいたミニどら焼きを主菓子とする。先日の長女の入籍のインスタを見て、翌日炊きたてのお赤飯とこちらを頂戴いたしました。桜餡に表生地には焼印で桜花が押され、なにやら愛娘さんが生地を焼いてるとのこと。それを知ってしまったら、主・始(ハジメ)ちゃんのどら焼きより数百倍はありがたいねぇ。心して口に運びます。




2021年2月23日火曜日

At Ooshika Village

昨日、長女夫婦が入籍を済ませてきました。コロナ禍で結婚式も先延ばしとなりまして、私たちも実感があるような無いような。でもありがたい出来事で、何よりのプレゼントでございます。夫君のご両親様と、彼女の人生でご縁のあったすべての方々に感謝いたします、ハイ。

大学病院の長椅子で、除夜の鐘を聞きながらその時を待ち、年が明けてすぐに生まれた長女です。そして嬉しい昨日の入籍、過ぎてしまえば「あっという間」の時間(月日)ですねぇ。
婚姻届けの新しい長女の本籍地を見たときに、少し沸き上がったセンチメンタルな感情に自分自身が驚いたりして。

これからボクらは老後に向かうけれど、親として距離感を保ち迷惑を掛けぬようにガンバリまーす。

キミらはキミら、穏やかな旦那さんといつまでも楽しく幸せに。



写真は長女9歳次女4歳の頃、下伊那郡大鹿村の『旅舎右馬允』にて。長女が喜んで雉肉や鹿肉を食べていたのも懐かしい。もう一度、ホタルの河を見たいねぇ。


2021年2月18日木曜日

Fog morning

昔購入した鬼平犯科帳のビデオで泣く夜は、それっぽい晩酌に。ちょうど友人W氏夫妻から春の美味が届き、猫足の根来膳にその春を三本ばかり乗せてみる。浦安からの焼き蛤と焼き浅利なのね。貝の旬は春と聞く。春近し、うれしいねぇ。
あっ、鬼平のビデオは『霧の朝』です。

酒は『酔鯨』、徳利は胴上部に三日月と下部には『三日月楼』と記された磁器製です。
購入したときの骨董屋は、「昔、横浜の遊郭(真金町?)にあった三日月楼の徳利ですよ」と言われたけど、たぶんよくある作り話。ボク的には近江の琵琶湖畔にあった料理旅館『三日月楼』の器なのではないかな、と。

写真は③④は、戦前の絵葉書とやはり戦前の三日月楼の暑中見舞いです。古書店で見っけました。






2021年2月17日水曜日

Belle Époque

インスタ用に再編集な「耳タコ」編ですのよん。

旧い(古い)モノ好きでね、生活全般に現代とヴィンテージを絡めております。そのひとつにパヒュームがあるのね。なにしろ還暦を越えた枯れ行くジィさまですからね、加齢臭に蓋をしなければ皆様に大変な迷惑を掛けてしまいますもの。それにしても昨今の製品のバリエーションに富んだ優しい薫香はありがたい。その一滴で、こんなボクでもそれなりにナイスミドルに変~身、するわけないけど、やっぱ香りは好いモンです。

アールデコ期の頃の仏國製の品が数点手元にあるのだけど、戦後のケミカル製品とは違って重厚感あふれる薫香なのね。(写真①②枚目)どれもかなりスパイシーでオイリーでオリエンタル。心像風景で言えば、中東のモスクもしくは声明に散華な密教、いやいやグレゴリオ聖歌な重々しさよ。とくにBANCOはアンバーグリス(龍涎香)の含有量が多いんではないかな。以前は仏事限定で手首に垂らしていましたが、今は年齢も重ねたので和装時などに。

写真③枚目は1976年~終売不明なMAX FACTOR(マックス ファクター)の『ROYAL REGIMENT』なのね。時代的にナチュラルさはありません。ただし昨今はありませんねぇ、この種の薫香は。 革、乾燥石灰、白檀、野生のブライアー(ヒース)、ツノマタゴケ、この五つの香りのケミカルブレンドなのだ。夏のリネン素材着用時はエエよ。昔々の散髪屋の香りです。

パーソナリティさは誰よりも上級だけど、Belle Époqueな時代のパヒュは少量でも「そこはかとなく」にはならないのね。BARカウンターならよいが、鮨屋や割烹のカウンターですとヒンシュクですぞ。





2021年2月16日火曜日

in later life



SNS上、娘がいる父親のこの時期のド定番っす。
「娘がくれたチョコレートが、今宵の酒の友なのだ」


「日本初進出の台湾ショコラティエの高額ショコラだから、よく味わってたべるんだよ」
などと釘を刺され。
「食事制限中なのだから、一気に食べたらダメだよ」
などと注意喚起も。

サンキュ、、、

2021年2月11日木曜日

FOR RENT

コロナ禍でいろんな店舗や商売が消えてゆきます。
一世を風靡したココまでも。

「マジかよ!」
テイジンメンズショップが全店閉店とのハガキが来た。
季節季節でお世話になってたのに、困ったことです。
それはみゆき族以前、銀座四丁目で1960年から営業していたテイメン。ボクら世代にはIVYの聖地だったテイメン、アパレルの厳冬の時代とは言え、テイメンおまえもか。

銀座店の接客は、よくある昨今のショップとは一線を画すサービスだったのね。銀座らしい紳士的な対応(接客)で、気持ちよく穏やかに服選びができたのになぁ。
ユニクロだってGUだってありがたい。けど、きちんとした正装や一張羅は精神的に安心感のある店で揃えたい。スーパーブランドはボクには無理だけど、ココに来ればこんなボクでもそれなりにまとめてくれたのだ。あのレベルの縫製の良い服は、これからはどこに求めればよいのやら。


2021年2月7日日曜日

ARLEQUIN

豆腐屋のご贔屓さんには寺院関係者様が多いのね。単独でのお取引で、職種別(?)で考えたら断トツかもしれません(お買い上げ額)。寺院の基本は精進ですし、なにしろお寺さんは行事が多く集まる人数も多いですからね。


「コロナで大変でしょう。差し入れだよ」と、旧知の住職から頂戴した富山の樽入りかぶら寿司。
感謝カンゲキ雨嵐、ありがてぇ、大好物でっす。

こちらの80代住職の『食』への探求心ったらハンパない。
こんなこと喋ったら語弊があるが、和食なら溜池山王の『松川』や、、、天婦羅なら築地の『清壽』か、、、フレンチなら、、、、、ってな方でしてね。また自宅でも値段の高い安いではなく、つねにほんまもんを食す御仁です。ただ今コロナ禍で外飯自粛中とのことで、全国からのお取り寄せで気を紛らわせているらしい。

まーね、経済力があってのことですけど。

今宵、『いいちこ』をアルルカンでやる。
数寄者で風流人の住職、教えて頂きたいことがまだまだたくさんありましてね、
いついつまでも元気でいていただきたい。






2021年2月3日水曜日

Hatsuuma

 本日は初午(はつうま)です。稲荷神社のお祭りですね。豊作、商売繁盛、開運、家内安全を祈願いたしましょう。

早速ですが、わが家は早朝から畑菜とお揚げさんの辛子和えを。そして昼食はお稲荷さんで。








Gibson

今夜は手っ取り早く酔いたいので(昨夜の話)、買い物に行くカミさんに手頃なジンを「買ってきて」とお願いする。ジンでの自作のカクティルはギブソンオンリーです。いろいろレシピはあるみたいだけど、ボクの場合はステアなのでミキシンググラスは必需品です。15年ぐらい前に浅草の『グラスファクトリー創吉』で出会ったグラスで、本郷裕一郎氏絵付けによる金魚(水泡眼?)のモノね。15年間大切に使ってます。

なんでだかギブソンには思い入れがありましてね。今はファミレスになってしまった福生の『ニコラ』だけど、約45年前の『ニコラス』時代はとても怪しいアメリカ経由のイタリアンでね。あの時代の通称イタリアンと言ったら、赤と白のチェックのテーブルクロスとキャンティのフィアスコ、ピッツァがピザの時代だもの。米軍基地サイドの軍属だらけのその店で、人生で最初に呑んだカクティルがギブソンだったのね。だからボクは今もマティーニではないのだ。

これほど独り呑みの時間を過ごしたことは無いです。いつも誰かが注いた酒を呑み、いつも誰かが作った肴(料理)をつまみ、いつも誰かと冗談をぬかしてた。

孤独も悪くはないのだが、自分と向かい合う時間が長すぎてねぇ、我どんどん煩悩まみれよ。