2023年2月23日木曜日

Setsugetsuka

少し年長の編集者の知人が、以前「年齢(とし)のせいか、最近は涙もろくなった」って言ってたけど、最近分かるんだよねぇ、還暦前に比べボクもヤバいほど泣けます。映画、本、TV、YouTubeで音楽・・・もろもろ。ジイさんの号泣はキレイではない、っつーか怖い。独りのとき以外は感動から目をそらしたり堪えたり、けっこう意味の無いエネルギー消費しとります。これから自宅で映画鑑賞、思う存分泣けます。

料理人の友人夫妻が京都土産を持って来てくれた。春の便りと思いきや、京都は雪だったとのこと。その土産話に、昔見た洛北の雪景色が思い起こされます。行きテェな、京都。頂いた菓子を古伊万里に乗せる。今宵のコーディネートは雪月花(三日月・花・雪輪)の青磁皿と古萩の煎茶茶碗とアンチモニー製の西郷どん(昔の上野土産)でござんした。







2023年2月20日月曜日

Desk light


還暦越えの老眼と白内障は目が疲れる。こんな電気スタンドでは、夜間は見えるものが「闇夜のカラス」ほどではないが「夕暮れ時のカラス」なのだ。っつーか、凝視しても眼鏡無しだと見えない。眼鏡をしても焦点が合いづらいので本は投げだす。PCはどーにか。なのに、この東京芝浦電気製(昭和42年~)が生きている限りは最新型のスタンドに手を出せないボクでした。
さすがに購入を考えた。どーせならボクらしいスタンドがほしい。んで、新築時に照明器具を誂えたヤマギワリビナ館を検索したら、今は消滅しちゃっているんだね。会社自体は買い取られて存続してるけど、アキバにはもうヤマギワリビナ館が無くなったとは。ネットで探すとLEDのデスクスタンドも数千円で購入できる時代、そりゃ高額過ぎたら困るけど、ボクの欲求を満たしてくれる「美の壺」がよいのだが。こんなことを考えてるから見つからない。んで、不便な生活は続く。

2023年2月17日金曜日

Nantonaku kurisutaru


古門前の懐石料理店で「お飲み物は何を・・・」に対して「(シングル)モルトを・・」とオーダーいたしますと、出された酒はバカラのオールドファッションに注がれておりました。(写真は↑)美しいですね。正直言っちゃうと、この時注がれたウヰスキーはブレンデッドのキリンの『陸』だったのね。あのウエルシアで500ml千円ちょっとのウヰスキーでございます。(普段呑みで年中お世話になっとります、へへ)内心「旅先の京都でぇ、それも祇園の割烹で『陸』ぅ、マジっすか!」と驚きはしましたけれど、そこはバカラの魔力でしょうね、ウヰスキーの元値など関係無しで酔えましたもの。それほどグラスは気分を左右いたします。不思議と酒(日本酒・ワイン)の銘柄も酒器(グラス)も凝りに凝ってる料理店は多いけど、ウヰスキーグラスはしょーもない店が多いやね。裏を返せばグラスひとつで店の格も上がるってぇものなのに。

先日も書いたけど、旧知のバーテンダーさんから「今のうちにHOYAクリスタルのグラスを集めておきなさい」と助言を頂いてから、オークションでぽちぽち未使用品限定で購入してるのね。とにかく2009年にクリスタル事業から撤退してますので、現存数が減少傾向ですから多少の値上がりは致し方ありません。でも現行品のバカラよりもずーっとお安ぅございますから。
今回いろいろ手にしてみてあらためて実感いたしました。当時の日本のクリスタルガラス製造技術はすばらしかったんだね。
このショットグラスなど世界でも類を見ない美しさと技術ですよ。16面オールハンドカットのプリズム仕上げだし、底にはクラフトマンデザイナー佐々文夫のネーム入りだもの。





2023年2月14日火曜日

Nabeshima

だれかdancyu(ダンチュウ)の読者はいないでしょうかね?先月号が豆腐特集だったらしく、「ダンチュウを見てきました」ってお客さまが複数お出でになりましてね。取材された覚えも無いし、一人や二人なら「何かの間違いだろう」で済ますのですが、なんだかワケがわからんのよ!コラムか何かかな?




コロナ禍以降、自宅飯や自宅呑みが愉しくてね。毎夜毎夜、書斎で独り悦に入ってます。
千代口に越前の塩雲丹をティースプーンで一杯分落とし、あとはドロりと粘度の高い豆乳を掛けるだけ。最初はしょっぱ苦い雲丹に豆乳を絡ませ美味し。箸で突くうちに溶けて別物また美味し。手を掛けることも無く箸の先で舐める、肴はこの程度が好いんだよ。

ボクが心中深くから憧憬を抱くのは、故・立原正秋氏の美の世界観でございます。今日は李朝ではなく鍋島でそれらしく見せてます。立原正秋氏のご長男さん潮氏の店、懐石『立原』には間に合いませんでした。今なら恐る恐るでも扉を開けることが出来たのに。「もう十年早く生まれていたならなぁ」などと、両氏の著書をめくるたびに残念な気持ちになります。

2023年2月10日金曜日

Times Square

30代や40代は豆腐作りにおいて完璧に語ることができました。それが50代に突入した頃からでしょうか、経験を積めば積むほど答えが見えなくなりまして、今では思いを述べることが精一杯となりました。若い頃のあの自信満々な自分から、ほんの少しだけ深みを増した63歳でございます。なんてね。
そんなボクの作った豆腐を新宿高島屋さんで6日間だけ販売いたします。3月1日~3月6日の催事【グルメのための味百選】でございます。ボクも4日(土)と5日(日)は製造終了後に出向き、販売の手伝いをいたしますので何卒よろしくお願い申し上げます。

米国産などの輸入大豆が豆腐製造の主原材料であった時代、純国産大豆での豆腐作りを指針として、大豆商社を脱サラした父と私とで昭和54年に創業いたしました。半世紀近く経った今は職人Mと二人三脚で製造し、あとは家族にフォローしてもらいながら少人数での目の届く範囲で仕事を守っております。
6日間の期間限定でありまして、自分自身でも毎々お客として愉しんできた催事でしたので、初出店という不安を抱えながらも販売する側として立たせて頂くこととなりました。まぁ、いちばんの出店理由は『味百選』こそ百貨店の催事の最高峰であったことです。

豆腐製造も人生もおぼろげながら終着点が見えてきました。あとは静かに営々と過ごすことと決めておりましたが、バイヤーさまのお声がけを頂戴して、もう少しだけ豆腐の道を磨いてみたく想います。



2023年2月6日月曜日

Regular holiday




先週に続き今週も呑みな土曜日です。神保町で同業者と。お茶の水駅から明治大学方面に向かうと、楽器商から懐かしいフィリーソウルが聴こえてきます。好きだなお茶水って街。
店前で友人と合流して新年会な宴となりました。御法度な店ですので写真は無し。客層も皆上質な大人たちですから、くつろぎながらも少しの緊張感が心地よい店であります。

ギリ最終にて帰宅。


定休日はゆっくりと。骨董店で一尺の花器を購入する。遠来してから初めて枝を置いてみた。戦前ぐらいの中国陶磁器かな。それに半磁でしょうか、少しパフっとした質感です。
胴に花が咲いてますので、新芽の木いちごの枝葉を置くのみで。