2024年11月26日火曜日

September



イラストレーターD氏が偏愛するツイッギーはJanuaryで、Septemberはボクのリクエストでウォーレン オーツさまを。

来年の当店オリジナルのノベルティカレンダーが、もちょっとで出来まする。すでに47件の『紐付き』ですが、配布の際にはお知らせいたしますのでお声がけを。んが、定数オーバーの場合はお許しを。

2024年11月24日日曜日

Parting for a short time.


次女が三か月間台湾で暮らすので、「美味しいお鮨を食べてから行きたい」とのことで神保町に。『はる駒』さんにてあれやこれや。残念ながら写真厳禁のため暖簾だけ。(写真③)独立前の『神保町 鶴八』では食べログで4点台まで引き上げた親方ですもの、ひと仕事された魚貝類と米で腹十二分目に。満腹満足の次女に、親方の「帰国したらまた御出でくださいよ、待ってるよ」と送られて店を出る。
墨烏賊の下足(ゲソ)を土産に頂きましてね。(器・作・三上亮・写真①)茹でてはみたがヌタしか思い浮かばず、砂糖味醂は足さずに和辛子酢味噌で。(器・明治期オールド香蘭社・写真②)この下足カールで思い出すのは、音楽室のフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの肖像画であります。



正直、豆腐屋の大切な戦力ですので痛いけれど、まぁね、どーにかなるでしょう。早く帰って来てね。

2024年11月14日木曜日

Tako karakusa

年内は最後となる豊川稲荷別院でお参りを済ませてから、カミさんとお歳暮の手配で日本橋に。毎度恒例のオーヴォンビュータン行列を70分並び、おかげさんで今回も無事発送できました。せっかくの行列一番乗りだもの、自分用にも数点購入を。フランス田舎風焼き菓子大缶とプティフールサレ、パテドカンパーニュとソーセージ4本。定番中の定番だけどボクの御馳走。

帰路には築地の波除稲荷神社でも、ちょっと早いがこの一年の礼を述べ二礼二拍手一礼を。
今年も長女に次男が生まれ、世代は次やまたその次へと移行して行きます。やばいな、年齢的には最上位になってるではないの。いつになったら悠々自適に隠居が出来るやら。


んで、宵はパテカンを肴にやる。酔えばサレも焼き菓子もフランクまでも。けっきょくすべてに手をつけなければ気が済まぬ悪い癖であります。やっぱ旨いよなぁ、原材料の美味さって言うのかね、小麦粉だって乳製品だって、パテカンの肉や香味野菜にしても自然界の美味さの最上級と思う。






2024年11月13日水曜日

Surréalisme


熟考して油彩を入手する(上記)。シュールレアリスムは嫌いではないが、はたしてボクの書斎に合うか合わぬか。この作家の油彩は一点持ってるので(下記)、それも作用したのかな。一号サイズの小品です。
以前も書いたけど、昨今はアートを自宅で愉しめる時代であります。芸術か否かかは、個々の考え方ひとつだからね。西荻にあった『魯山』など、潰れたコークの空き缶だってかっこいい芸術だったもの。

戦禍はいろんなアートも失うけど、今の日本は平和であります。だから昭和の油彩などが余剰なのかね。バブル期では手も出せなかったアートが、今は号価格などあってないもの、無理せず本物が手元に。



2024年11月11日月曜日

Wajima Shikki

ここんとこ、晩酌時に流しているのは雪景色の散歩のYouTubeです。雪降る夜の京都や金沢、雪深い東北の温泉場や最果ての地の飲み屋街など。ああっ、旅心がフツフツと。



古道具商から、正月の白味噌雑煮用の椀を十客購入をする。家庭用なので、ゴージャスな蒔絵や沈金は無しと言うことで。木地は欅(ケヤキ)で黒と洗朱の漆でシンプルな仕上げとなっており、デッドストック同様な無傷な超美品であります。雑煮用ですのでそこそこの大きさと深さが欲しい、けど合鹿椀では大きすぎる。運よくジャストなサイズが視界に入ってくれました。箱書きには明治二十七年に販売された旨が記されてまして、今から130年前の御品でございます。

骨董漆器は、同じ椀でも使用頻度によって古色をおびたものから箸疵ひとつ無いモノまで様々であります。長い時を使われることも無く、見立てはしたが蔵奥で眠ったままのモノも多いのね。ボクは使い込まれてる風情も好いけど後者の方を選ぶかな。こーゆー場合、だいたい現代作家さんの椀一客分で十客買える換算で、ってな感じです。
本物の木製漆器で食すこと、漢の贅沢な嗜(たしな)みでございます。漆器入門編としたらこんな入手の仕方もあるけれど、大切なことは眼識でありまして、なんてね、へへ。

大七酒造の酒粕がありますので、今回は粕汁を。ボクは辛口の熟成鮭を焼いて乗せ、身をほぐしながら食すのが好きであります。

2024年11月4日月曜日

Input



どーでも良い話なんだけどね。
昨今のシングルモルトの品薄は困ったものでございます。マッカランもラフロイグもオフィシャルはありますが、まずボトラーズのニューリリース等は素人には入手困難であります。それに値段が爆上がりですし、『山崎』『響』などの国産モルトに至ってはボクにはもう手が届きましぇーん。
んで、オークションやメルカリで状態の良いオールドボトル(古酒)を安く手中に。いやいや意外に面白いもので、70年代ー80年代のウヰスキーには至極があるのだ。ただし発売時はその時代のてっぺんのヤツね。
とっくの昔に終売しているサントリーの『インペリアル』はいいぞ。それも1970ー80年代の向獅子マークで後期の響マークではないい方を。なぜなら味が違います。現『響』超えてます。入手しづらくなる前にご購入を。価値ありますぞ。

Japanese Persimmon

今年も井戸端の柿が大豊作であります。

以前、存じ上げぬおやじさんが店に来て「庭の柿の木の実だが、要らないのなら私たちでキレイに処分してあげますよ」って。
最初は言っている意味が分かりませんでしたが、早い話「根こそぎ柿の実を頂戴いたします」ってことらしい。

なんで?見知らぬ人に甘~い柿の果実をやらにゃあかんのよ?

やんわりと「お客さまに配りますので大丈夫です」とお断りをいたしました。
あと10日~20日で収穫が出来ると思いますので、その時は店でお客さまに配布いたします。

<<注意>>呑むときは柿は食わぬこと。だれでもそうだと思うけど、まーったく酔わなくなってアルコールの無駄遣いとなっちまいます。


最近入手したMマークのオールドノリタケでやんす。(アール)デコってるでやんす。

2024年10月29日火曜日

Goldfish Brain

高円寺の公園で孫を遊ばせていていたところ、ボクもカミさんも孫たちも蚊の総攻撃に合い撤退を余儀なく。なんでぇ?、もう十月も終わりだと言うのに。んで、純情商店街でタイ&チャイニーズ飯にお・さ・け。

そんなボク、金魚腦 らしい。



商店街ではありますが、そのほとんどが古着屋と飲食店と雑貨屋や古書店です。歩く人も全身タトゥーやゴスロリやパンタロンや表現しづらい和装中年男子やら。そこを鳴り物を響かせながら阿波踊りが過ぎて行く。シュールな夢を見ているようでした。

混沌です。




ラムのロックと日本酒は、ボクは茶碗酒でやることが多いです。
京都の骨董屋さんで、茶碗酒に好適なコロ茶碗を5ヶ入手しました。呉須の色も優しい古伊万里で、若松文の吉祥柄でございます。ポイントは高台の小ささで、その危うい安定感の無さが掌に愛おしい。ボクは酒器として利用いたします。夏は氷を浮かべてラム用で、冬は燗酒を注ぎ掌で包むようにしてやっております。今日は常温で十八盛の山廃を。岡山児島の目の前は瀬戸内海の蔵元。

2024年10月23日水曜日

Miyakobito

信仰と言っていいのかな?毎朝手を合わせている神社仏閣にお礼参りを兼ねて一泊二日。豪雨の神護寺、朝いちでの東福寺、毎度の泉涌寺の塔頭ふたつと粽返納で八坂さん・・・

家内安全と商売繁盛、もちろん我が家族や従業員(そのご家族)の健康と幸多き人生を祈ります。






帰路で四条通からタクシーに乗り駅に向かう途中、どこにも財布が見当たらないことに気づく。京都駅の交番で届け出を書き、あたふたとキャッシュカードとクレジットカードを停止する。
あーあ、ドーンと落胆が訪れました。

それがですね、
翌日に警察署の落とし物係からTEL有り、「お財布が届けられてます」と。
カード類、免許証、保険証、そして現金も無事にそのままでありました。
本日手元に戻り、同封されている拾ってくださった方に電話をしましたが、
礼を述べるボクに「持ち主さんに戻ればそれでよし」とフルネームも住所も名乗らず喜んでくださった。

神仏に感謝をする旅でありましたが、それ以上に何かを得た旅でございました。
京都人さん、こころより感謝いたします。

2024年10月21日月曜日

Astarte&Hatsuka EVISU

30代の頃によく覗かせていただいた『アスタルテ書房』が今月で閉店と知り、「最後の記念に何か一冊を」と数十年ぶりに扉を開けた。さすがにあの頃の面影も無く、蔵書も減り四谷シモン氏の作品も金子圀義氏の絵画も見当たらず。そんな空気感ではありますが、澁澤龍彦氏の『幻想の肖像』と高橋睦郎氏の『詩人の血』、そして四谷シモン氏の作品集を入手してきた。余談ではありますが、澁澤龍彦氏は幼少期を川越で過ごし、現・商工会議所のある志義町辺りが遊び場だったらしい。住まいは旧加島眼科医院(現スターバックス時の鐘かな?)がそれと訊く。

故・創業者のお内儀曰く、閉店後は他者が跡を継ぎ、面影を残したBARになるらしい。

どんどん現実が記憶に変わり、少々センチメンコではありますが、それも致し方なしで。
 





ちょうど二十日ゑびす大祭と重なり、お参りをして戎さんの肩も叩いてきた。かぎ甚さんで、十日ゑびすとこの日だけ販売するゑびす焼も入手して、「かわいいなぁ」と愛でながらも優しく容赦なく胃袋に。



2024年10月15日火曜日

Rinji kyūgyō

<<お客様各位>>

今週末は当店の隣が祭礼での神酒所となりますので、山車の出入りの関係で10月19~20日は臨時休業とさせていただきます。
                          店主・小野 哲郎



あれよあれよと秋らしくなり、雨の降る夜など凍えるぐらい冷たいです。夕べは軽く暖房など入れてしまいました。今宵は十三夜(後の月)でありまして栗名月でございます。中国伝来の十五夜ではありませんが、栗餡の月餅も頂戴いたしましたので今宵はこちらを。んで、芳香放つ正山小種を入れる。
昨日のこと、永遠のスタンダードであります『銀座ウエスト』の焼き菓子も購入したので、書斎でザクザク独りで愉しむことに。以前はその時々の流行りの菓子が嬉しかったが、年齢を重ねて自然とこの類に戻ってゆきました。好物であります。




2024年10月14日月曜日

Kyōkaku


最近、尾崎士郎著の『人生劇場』を読み返したり、旧作のシネマをDVDで再観したり。んで、ちょっと侠客気分。






御道具屋さんから寒風大窯の皿を購入。備前焼の太古から未来、その気宇壮大な森 陶岳氏の作品の中でも小品中の小品を。晩酌の肴用でございます。早速、本鮪と白烏賊でアイラをやる。

♬おれも生きたや仁吉のように 義理と人情の この世界・・・♬

2024年10月4日金曜日

Ise Udon


今年一番の肌寒さ。さきほど手打ちのうどん屋さん(※)が油揚げと豆腐を仕入れにお出でになり、「そうだ、うどんを食おう」と自分でうどんを温める。(お得意さんの店は定休日なもので)出汁を引き、本葛でとろみをつけてうどんに流す。あんかけにはコシの無い伊勢うどんで、薬膳として片栗粉ではなく本葛でお願いね。おろし生姜も多めに乗っけて。んで、油揚げと九条葱できつね丼も。なんで関東では『きつね丼』や『衣笠丼』を出してる店が無いのだろ。

(※)ゆ乃うどん 埼玉県川越市元町2丁目1-1



大量に秋刀魚を頂いたのだが、塩焼きで食すにはなにぶん小さい。半分にカットにして、波照間の黒糖と醤油をひたひたに。シャトルシェフで48時間放置プレイを。身は残るが、骨がまーったく消え失せた。

いつもの年より早く柿の木の落葉が始まりました。このまま本格的な秋に突入でしょうかね。気温の⤵により湯豆腐向けの木綿豆腐の需要が増えるのであります。その分、奴用の絹豆腐やおぼろ豆腐の売り上げは減るけどね。


2024年9月29日日曜日

Kikka


深夜に小津安二郎の『麦秋』(1951年製作・松竹)を観る。

娘(原節子)を想う家族の心象を描いた心優しい内容なのだが、現代作品では考えられぬ放送禁止用語やちょっとしたパワハラやセクハラも普通に織り込まれていて面白い。普通にリアルなのであります。
立場的に当てはめると、ボクらは両親役の菅井一郎(当時44歳)さんと東山千栄子(当時61歳)さんとなるのだね。衝撃ですが、1951年の日本人の平均寿命は男60,8歳女64,9歳だったのね。

ありゃりゃ・・・

今や80歳超えだもの、医療の進化に拍手。

秋の夜長であります。磁器製の菊花香立てを入手して、早速昨夜、伽羅を灯してみた。
どう?いい感じでしょ。

2024年9月25日水曜日

Old Bottle

故・成瀬巳喜男監督の『女が階段を上る時』(1960年製作)の舞台は銀座三十間堀川沿いのBAR『ライラック』、そのバックバーにはこれが並んでいた記憶が。(あやふや)

入手したヴィンテージの赤蝋VAT69を開栓するのだが、さすがに65年からの古酒はコルクもきっとポロポロだろーね。で、開栓したら、やっぱりポロポロでござんした。
裏ラベルにある輸入元は江商株式会社です。兼松との合併前ですので、1967年以前のスコッチであります。プラス首ラベルの『雑酒』表記は1961年以前ですし、ってことは、それ以前のダンピーボトルでございますね。たぶん1959年生まれのボクと同じぐらいでしょうか、キーモルトは今は存在していないグレネスクか?65年の時を経て開栓したばかりですのでまだ何とも言えぬ。軽やかでないのは確か。

ボクがオールドボトルを好むのは、今は亡き親父や祖父たちの時代の酒を呑むことで、時を超えて酌み交わすような感じかな、って都合の良い言い訳をぬかす。
ヴィンテージワインと違って、ブレンデッドの古酒は適価で入手できますで。