2021年11月29日月曜日

In Shintoism, it is believed that a god exists for everything. 

「当店では現金での取り扱いはありません」

(マジっすか、コーヒー一杯なのにぃ!)

最近はシステムとして現金決済の出来ないカフェや物販も多いんだね。六本木のカフェ(VERVE COFFEE ROASTERS)でコッ恥ずかしい思いをするとこだった。時代がボクに追いついてきたのではなく、反対にどんどん取り残されている自分が怖いです。歳は取りたくねぇもんだ。

漆器作家の若林 幸恵さんのエキシビションで六本木AXISビル 3Fの『サボア・ヴィーブル』まで。ここんとこ現代作家モノは遠ざかっておりまして、骨董やアンティークでの発掘をなによりの愉しみで御座いましたが、久々に現代神(あらひとがみ)に降臨していただきましたぁ。高さ六寸と五寸の作品ですが、静かな空間での存在感は実に厳かでおかしがたいほど。
ボクの机上には八百万の神々がおいでになります。酔った宵に話し掛ける対象であり、また掌の玩具であり、ときに依代(よりしろ)にもなっていただいたり。
本日、先生自らお届けに。





Asagaya

豆腐店のホームページやパンフでお世話になっているイラストレーターD氏より、「たまには呑みませんか?」と連絡を頂戴する。即答でOKを。リスペクトしている彼の利便性を考えて、阿佐ヶ谷の「バードランド」に。昨日はあんなことを言っておきながら、顔割れしてる数少ないお得意さんの店でございます。昨夜の呑み過ぎの記憶も薄らいで、さてさて今宵は軍鶏肉とスペインワインからスタートを。ワインに関してはまーったく無知ですから、女将さんにお任せで「重厚感のあるダークな赤」で注文を。

旨いなぁ、、、




2021年11月28日日曜日

The mummy of Kappa

古びた木箱を見せて「骨董屋で江戸時代の河童のミイラを買ってみた」と次女に。
一瞬驚いたみたいだったけど、「またバカ言って!」いつもの会話に。

明治時代の分銅型織部向付を五客購入する。無傷の完品でありまする。桃山や江戸期の陶器じゃないからね、ボクでも入手できました。
酒の肴は調理半分風情半分でございます。味付けが多少「?」でも器の風情でカバーできるもの。これはちょっと嬉しい買い物でした。ボクの人生の残はどのくらいあるか分かりませんが、五客もあればご安泰かと思えます。さてさて、アオヤギのヌタにするか菜の花の辛子和えするか、、、。

昨晩は久しぶりに日本酒で潰れる一歩手前でした。どーにか帰宅でき、どーにかゲロ温泉に浸かることも無かったけれど、ほぼ自宅までの記憶は飛び飛びで微かに。午前中は生ける屍な肉体でござんした。酒によって酔い方は違うけど、ボクの場合はワインと日本酒は相性が悪いかも。それでも夜が来れば元の木阿弥となりまする。













Yoru no Ikebukuro

大ポカをしてしまいました。呑み過ぎまして写真を撮り忘れました。

基本、お得意様のお店にお伺いすることはしません。気を使わせたり気を使ったりが大の苦手なのであります。でも行ってみたい御店も多々ありますので、豆腐の御注文時(TEL)は世間話をする間柄でも、訪ねる時は一見さんとして景色に融けこみます。面が割れてないコトは楽で好いですね。
昨夜は池袋の「酒 肴 おまた」さんで呑むことに。コロナ禍以前以来の彦十女史姉妹との呑み会は、せっかくだから女史のシマにあるこの酒亭となりました。早めのPM6:00に3人で小上がりに着地して、最初からポン酒でコロナ禍後(まだ終わってないが)のお互いの無事に乾杯を。
この酒亭さんとは20年からのお取引で、店主の修行先時代から考えれば30年ぐらいのお付き合いとなります。なのに初訪問な不義理なボク。「面が割れてない」と言うよりも、「合わす顔が無い」っテェのが本音かも。

子供の頃の記憶で、「今日は東京に出かけるぞ」と言えば池袋でした。見上げた東口の空にはトロリーバスの架線が網状に張り巡らされていてね。当時を振り返れば、まだまだ戦後間もなくの空気があったような。まーね、昨今の北口のチャイナタウンやコリアン、台湾、自称インドのネパールやパキスタンの景色の混沌さは当時を凌ぐかも。

♬どうせ気まぐれ東京の~夜の池袋ぉ~♬



2021年11月22日月曜日

ENGAWA

ボクなりの調理で一日三食の介護飯を母に。そりゃぁ料理人のようにはいきませんが、彩や器による季節感は大切に考えております。
先日「朝御飯が残ってるから、昼御飯は作らないでいいよ」いう母でしたので、果実だけ持って3階に上がると、その朝御飯の残りをレンジで温め直しておりました。
母がレンジから取りだしたのは朝のまんまのお皿でして、思わず絶叫しそうになりましたよ。
アールデコ期のプレートで、だいぶ以前に今は無き「木屋ギャラリー」で買ったモノだもの。そりゃそーだよね、そこまで想定していなかったボクのミスです。




写真は本日の介護飯で。昨日の大江戸骨董市(東京フォーラム)に出店していた西宮『ENGAWA』さんで購入した伊万里を。最近はコロナ禍で骨董市も開催されなかったから、ボク自身も久しぶりの骨董市でした。せっかくだもの、お客さまである『ENGAWA』さんで普段使いの用の美を。
母も89歳となり歯も弱くなったので、ホワイトシチューには肉の代わりに日本橋のデパ地下で購入したパテ ド カンパーニュ(半身)を軽く温めて。

2021年11月18日木曜日

Noren

<<街をゆき 子供の傍を通る時 蜜柑の香せり冬がまた来る>>

毎年、この季節になると思い浮かぶ利玄の三十一文字。昨今はさほど寒くはないけれど、帳が下りれば寂しいような人恋しいような霜月で、なんちゃって。
町田 義人の『裏町マリア』をループ再生して、少しヤサグレ気分で呑む晩酌なのね。


数か月前にお願いしてあった上布の暖簾ができあがり、京都『染司 よしおか』さまより届く。一垂は新しく誂えて、もう一垂は傷んだ箇所を修繕してもらった品です。お客様の途切れた時に試しに下げてみる。嬉しいねぇ、来年の立夏の頃が待ち遠しい。




2021年11月16日火曜日

Uninvited guests

わが家の井戸端の柿はとても甘い。ましてや今年は実の数が少ないので、一個の実が大きく立派でありました。なのになのに、今年はカメムシ(クサギカメムシ)の大発生で身がボッコボコに。セミみたいな口針を刺して果汁を吸われてしまうのね。駆除の仕方も分からずされるがままよ。下手に潰せば臭いし、潰ししたときに飛び散る液が皮膚に付けばただれるし。困ったもんよ。

細々ながらも商売をやってますと、いろんな「困ったちゃん」がやってきます。詐欺まがいのセールスはもちろん、やはり縁もゆかりも無い方々が、知人を紹介者として入り込んでくる寄付や協賛金の「ご協力を」の半強要ね。最初の電話から「たぶんそんなことだろう」と感じてはいるけれど、知人の名を紹介者として出してくるからめんどくさい。知人ゆえに邪見にはできませんからね。けれど話を聞くだけ時間の無駄ですし、なにしろ最初の話から変化する内容にコッチも顔色が曇りますよ。
今日来た若い漢はボクの同級生の紹介とかで、とあるスポーツ団体の立ち上げに一年間で3~50万円の協賛金を出してほしいらしい。最初は「川越のPRの為、小野さんの豆腐作りの話を聞かせて欲しい」だったはずが、途中から金の話だもんな。おいおい、そっちが目的じゃんか。豆腐屋にそんな余計な金は無ぇーよ。やり方が気に食わんわ。





2021年11月11日木曜日

Zushi TAMAYA


どーよ、にぎにぎしいだろぅ、、、

ボクが子供の頃のケーキはバタークリームが主流でした。て言うか、生クリームのケーキは無かったからね。Louis Vuitton(ルイ ヴィトン)だって、日本じゃまだ流通してなかった60年代だもの。バタークリームは子供の口には少し重くあまり好きではなかったけど、ときどき郷愁の味を食べたくなるときがあります。でも最近は見かけないんだよね。昨今のパティシエなど、こんなデコレイティブなバターケーキは修行の対象ではないんだろうね。

以前、鎌倉のお客さまから逗子『珠屋洋菓子店』のバターケーキを頂戴したことがあり、以来、ときどきお取り寄せを。わが家の娘たちにはバタークリームは?みたいだけど、カミさんとボクには「あの頃」の味を愉しめるし、いやいや美味しいですよ。バタークリームだからこそのカラーリングは童話の世界だぞ。




2021年11月9日火曜日

Plum vinegar


先日の鎌倉参りで入手してきた『明王院』さんの自家製梅酢、無人のお堂の前に手書きラベルのビンが数本並んでた。寺の梅の木で作る梅干しの副産物と思われます。素朴な古刹ゆえに食指が動いた。
希釈して「椀でやろう」となりまして、最初、昆布(羅臼)出汁で割ってみたんだけど、(んん、、、ちょっと違うかな)んで、ただの井戸水を沸かしただけでやってみたら、スっと胃の腑に落ちた。 
香りは立ち、酸味はあるが立ってはいない。浮き身は麩の代わりに杏のバゲットの端を

こんな旅の土産がいちばん嬉しい。



2021年11月7日日曜日

Kuro tomesode

まだ霜月ですが、京都に松飾り『根曳き松』の注文もしたし、少しづつ正月の準備も始めてます。師走は忙しくなってしまいますからね、今のうちに。
二年前に父が亡くなったり、なにしろ世間様同様コロナ禍で環境が大激変したここ数年でしたからね。来年の正月こそは、少しは穏やかに過ごせることを願いつつ正月準備を進めます。



今日は休日、久しぶりに吉祥文様の漆皿と茶托を引っ張り出して拭く。どちらもちょっと古い輪島漆器で、黒漆に沈金や蒔絵で松葉や松笠が。どーよ、家庭用には文様もこれぐらいが丁度好いんでないの。厳寒にも常緑を保つ松(常盤木)は生命力の象徴であり、また千年の齢を保つ吉祥樹でもありますからね。それに正月は黒できめる。
ただねぇ、難しいのがこの茶托に乗せる煎茶茶碗でして、土モノは似合わないワケではないけど選択技がすんごく狭い。磁器だって色付きはダメでしょう。
んで、やっと見っけ。見た感じはキリっと江戸趣味なんだけど、こんなシンプルな京焼でお見立てを。
イメージは、幸田 文の『流れる』から柳橋芸者の黒留袖。



2021年11月2日火曜日

TAKO

噂に聞くところ、『三菱UFJ銀行』の個人貯蓄額平均日本一が鎌倉支店らしい。(真偽は分からん)「だから、この街は食生活も豊かなんじゃないかな」と勝手に思い込んでいます、ハイ。たしかに観光系ではない場所(葉山や逗子も含め)には、昔ながらの上質でシンプルな肉屋、魚屋、八百屋、デリカテッセン、洋菓子屋が多い気がします。

長谷のシラス屋さんで茹で地蛸を入手、ブーランジェリー(Boulangerie Ensemble)でハード系を数種と鎌倉市農協連即売所で見っけた西洋からし菜も購入。今回の旅先での器の逸品買いは、鎌倉彫の『山水堂』さんでの皿と言うかトレーと言うか。

茹で地蛸を大蒜をおろした溶かしバターにくぐらせ、バゲットとからし菜の台に置く。