2021年8月29日日曜日

Saba

旧知の料理人の店に予約を入れたらご本人が出た。
「今日なんだけど、一人入れてよ」とボク。
店主からは「小野さん御免なさーい、今月は店を休んでます」と返答が。
退院はしたけれど、コロナに罹患して大変な思いをしたとのこと。
なんてぇこったい、見渡せばあっちにもこっちにも知人にコロナ経験者がいるではないか。もう特別なことではなくなったんだね。安心は100%ではないらしいが、ワクチン終って良かった。
んなわけで、今宵は家飯に。


鯖の旬は知ってるけれど、鯖寿司の旬はいつなんだろ。脂の乗ってる季節が良いのか適度に脂も枯れた時期が良いのか。
どーでもいいですよね、季節に限らず販売しているのだもの。それに嬉しい頂きモノですから。真夏に持ち歩いたせいか真冬のそれより味が深い。発酵しているわけではないけど、微妙に熟れ鮓風味が加わりボク好み。京都寺町『末廣』謹製鯖寿司を初期香蘭社に。

千本玉寿軒の『日月菓』も頂戴仕り。



さすがに茶道具を用意するのもなんだかなぁ。少し疲れ気味の日曜の夜。
ちゃちゃっとネルドリップでお許しを。



MARQUET

夏季休暇後の一週間は長く感じます。やっと定休日が来ました。
ワクチン接種も終わり気持ちは少し解放されましたが、まだまだ世間の状況を知ると気を引き締めて行かないとね。それに行きたい店は皆閉まってるもの。けっきょく家呑みは続く。

懐かしい漢(ひと)が豆腐を購入しに来てくれた。大昔のお得意様の従業員クンです。
90年代からご緒贔屓頂いていた『HIGASHI-YAMA Tokyo』(現在は閉店)、今も取引頂いている『八雲茶寮』や和菓子の『HIGASHIYA』の原点になった店ですね。その立ち上げ当時だから彼も50代になったとのこと。真っ黒に日焼けした短髪好男子は、大型バイクでときどき現れます。

へへ、嬉しい手土産も持参してくれてさ。
ARCAHON』のデュネットを。かなりコニャックの利いた菓子だからトロリとした酒が合いそうだけど、ボクはグレンモーレンジィの炭酸割にライムを落として。

仏國ボルドー菓子との相性は、ボク的には 〇!




コロナ後はどんな社会になるのかな?大手企業に勤めるお客様の大半は在宅勤務となり、オフィスは縮小されて個人のデスクも無くなったらしい。以前のように「帰りに一杯どーよ?」も絶対数減ってしまうのだろうね。飲食店の今後は、、、、、杞憂ならよいが。

2021年8月23日月曜日

Momokichi

どーでもいい話なのです。花街好きとお暇な方はどーぞ。

昔から明治期~戦前の芸者さんの写真をコレクションしてます。当時の芸者さんは今で言うところのアイドルや女優みたいなものですから、写真はブロマイドでございます。有名どころなら大阪南地・富田屋の『八千代』、<<酒は正宗 芸者は萬龍>>と誉れ高き赤坂の『萬龍』、スキャンダルで指を落とした『照葉』、可憐な美貌の新橋『音丸』、その他にも新橋『栄龍』新橋『濱勇』下谷『さかゑ』などが伝説かな。でも現存している大半は、時が経ち過ぎて名前すら知ることも出来ません。


これもその一枚だったけど、古書店で偶然見っけた古雑誌『文藝倶樂部』(明治35年7月号)で知ることと。

新橋芸者の『桃吉』さんでした。置屋は『松中村』とか。

パズルが解けました。毎夜毎夜、こんなことで喜んで祝杯を。




2021年8月20日金曜日

Jizo bon

店の暖簾は新門前の『染司よしおか』さんにお願いしてきましたが、夏用の上布の暖簾が傷んでしまいましてね、そろそろ三代目を誂えることと。同時期にお願いした木綿と柿渋の物は現役ですけど、なにぶんに上布は夏の西日に弱いですからね。ご挨拶がてら注文にお伺いしたいけれど、このコロナ禍では無理ですので宅配でのやり取りと。行きてぇなぁ。新幹線で行っちゃうかな。やっぱりダメだよね。

去年に続き今年も静かな夏休みです。過ぎゆく夏を肌で感じながら、小梅太夫風に「ちくしょー」と呟いたりして。みんなどーしてんだろ。緊急事態宣言も延長や拡大でどこにも行けないではないか。コロナ禍によるこの時間は、還暦過ぎには大切な人生の残り時間なのにぃ。二度目の夏までも愉しみを奪い取られちまいました。
ああっ、京(みやこ)の御料理を食べとうございます。この年齢になれば、独りでどんな料理店に行くのもまーったく平気なのに。(たむろっている女子中学生の横を通り過ぎる方がよっぽどビビる)
なのにコロナのやつ、許さ~ん!

「ちくしょー」







上記三枚は『祇園にしむら』さんで、下記二枚は下河原の『川溿(かわばた)』さん。

2021年8月17日火曜日

Sepia


さすがに目のピンボケ劣化が甚だしくなったので、新しい眼鏡を作りに初めての店に。
ずーっと腕時計と眼鏡フレームはアンティーク志向でしたが、古い製品はメンテナンスが大変なんだよね。まぁーね、どう考えても現行品の方が使い勝手は良いに決まってます。故に今回は実用重視に路線変更を。
以前の店では、同時に作った2本とも最初から焦点が合わなかったのね。これってすんごいストレスなんだよな。ボク、苦情申し立てが出来ない小心者です。ところが今日の店でその疑問が解けました。以前の店では近眼用で作られていたのが、新店では「お客様は近眼と言うより遠視と乱視ですよ」って。(ありゃりゃ)んで、年齢的にプラス老眼も。仕上がる一週間後が楽しみです。

62歳となりますと、ほったらかしにしてきたツケで身体のあちこちが綻びてきました。あれだけ避けてきた処方薬でしたが、最近はお医者様の指示で朝昼晩と食前食後に。





2021年8月15日日曜日

Fire

今年もやっとこさ夏休みが来ました。まぁ昔風に言えば藪入りとか初閻魔ですね。豆助とも一週間のお別れです。
わが家は娘たちの住まいも近場ですから、いつもと変わらずの夏休みってことで。
初日の今日は、『大掃除』などを呑みながらゆっくりと。

アウトドア好きの友人や豆助にキャンプに誘われるけど、そんなメンドくさいコトはまっぴら御免。上げ膳据え膳じゃないとイヤイヤ。とくに友人は流行りの『ぼっちキャンプ』愛好家だし。(先週は大雨にやられたらしいが、ククク、、、)
だいたい独りっきりで山の中など怖いではないか、熊もいればオバケもいるし。

NHKの『魂のタキ火』ではないけれど、ボクは香と蝋燭の炎でソレ気分に。





2021年8月11日水曜日

Takamakie

知人のfbで旨そうな寒天製造業の店を知り、川越→関越→新目白通り→高田馬場間で車を転がす。
『寒天工房 讃岐屋』
喉ごしの良い涼菓が好きなんだよねぇ。それに猛暑ですからコレ系はありがたいもの。
朝一番の客となる。
少しの滞在でしたが、年配のおかみさんの手本のような接客に感心しきり、その姿に作り手の理念も伝わってきます。毎度の食品大人買いで帰路につく。
寒天屋さんのある細い路地から幹線道路を右折、アレレ、後ろで赤色灯が回ってましてね、「ご主人、先ほどの交差点は右折禁止なんですよ」とお巡りさんが。
「すんませーん」とボク。
んで、2点累積と罰金7,000円でござんした。

帰宅後、まずは寒天をちょっと古いオパールセントの硝子鉢に落とし、大阪・鴻商店の蜜を垂らして涼を愉しむのだ。せっかくだから明治期の高蒔絵の膳で記念写真も。ボクなりの製造者へのリスペクトを込めて。

 




2021年8月9日月曜日

άθλητὴς

コロナが怖いワケではないけれど、せっかくここまで無事に来たのだから、もちょっと我慢なインドア派に。ここ数日の呑みながらのオリンピック観戦は愉しかったねぇ。

思い当たる先祖代々や見渡した限りの親戚一同で、スポーツで名を成した人間など聞いたこともありません。親父は高校時代は器械体操部だったらしいけど、蹴上がりも出来ない体操部員だったらしいもの。似たりよったり、血脈って残念でございます。なのにオリンピックは観ながら感動しちゃってさ、そのオリンピアンに自分の人生を重ねたりもしちゃってね。

ただ今、六十肩(?)で手が上がらずでひ~ひ~ですが。

やっぱりスポーツ競技は好いね。その頂点のオリンピックは感動の連続でシビれまくりました。





2021年8月2日月曜日

Shokiharai

ここ数年は親父の永眠やそれに伴う手続き、またこのコロナ禍での制約のある生活で大勢の方に不義理の連続でございました。これからは少しづつ行動を起こさねば、と今日はあっちこちにいろいろ手配に。

暑いです。

向島からの帰り道、思いつきで漢(おとこ)ひとり鮨を。「急なことで無理かな」と問い合わせれば、ラッキーなことに「大丈夫ですよ」との返答で。
親方への手土産を片手に交詢社ビルサイドを疾走し、石井紀州屋ビルの4Fまで駆け上がる。(本当はエレベーター)

暖簾の前に立ち深呼吸をする。漂う寿司酢の芳香に酔いますぜ。引き戸を引いて「久しぶり」とご挨拶を。
冷えたノンアルで熱い身体を落ち着かせ、切ってもらった後は「おまかせ」に。鮑旨いねぇ、鰹も好いし、昆布締めの白身も暑気払いには打ってつけ。鯵と小肌を追加して「ごちそうさま」に。

炎天下の街に戻る。夕餉の食材や西銀座で香を購入し駐車場へと。

帰路の信号待ちで、ハンドルから手を放し指の匂いを鼻腔で確認します。まだまだ鮨の香りが強烈に残ってる。ああっ、たまんねぇ。