2020年10月30日金曜日

Longing for Ireland

最近のバーテンダーは知識やテク重視の頭でっかちが多くありませんか。
還暦を過ぎたじぃさんは、若造にコテンパンにやられることも二度三度。



こんなCMで知る、
呑むって理屈じゃねぇんだな、ってこと。
無性にアイリッシュが呑みたくなります。

残念ながらボクの酒庫にアイルランドの酒は無い。
今宵は古酒のスコッチでお許しを。
ウイリアムローソンをマクビティダイジェスティブビスケットで呑む。


2020年10月24日土曜日

Inheritance problem

40数年前、高校生のボクに「豆腐屋をやるのが父さんの夢なんだ。一緒に手伝ってくれないか」と言われ、駅前のスナックで初めて親子で呑んだことを思い出します。「なんで豆腐屋なんて時代に逆行するような仕事を・・・」と分かってはいましたが、熱心に誘ってくる48歳の親父とお袋に説き伏せられてしまったのであります。「もうすぐ50だから、これが父さんには最後のチャンスなんだ」、この誘い文句に負けてしまったのかな。ハイっ、自己責任でございます。

還暦を過ぎて考えることに、若い人は自分のやりたいことをやった方がよいと思います。ボク自身、豆腐屋がイヤなわけではありませんが、自分が思い描いていた夢ではなかったのも事実です。
当時、憧れは桑沢デザイン研究所かセツモードセミナーで学びたかったし、できることなら後々製靴関係で生きてみたかったこと。

父が鬼籍に入った今(父自体は20年前に仕事を引退し、去年の11月に他界)、自分なりに豆腐製造業で表現をしてきた自負はありますが、時の流れの残酷さも痛感いたします。

人生は一度きり、豆腐屋歴43年の月日は戻りません。
誰かの為ではなく自分の為に生きるべし。

銀座の靴店では、ついついショーウインドウの前にたたずんでしまうボクがいます。








2020年10月22日木曜日

Google

相変わらず東京電力かNTTを名乗る詐欺電はとめどもなく来る。喋ってる最中から番号検索をすると、<<詐欺ですから気を付けて>><<その会社はなりすまし詐欺です>>がたくさん出てくる。今度はグーグルジャパンの社員(を名乗る)から、「Googleストリートビュー(屋内版)を撮影しませんか?」と。定番の「今なら無料です」でぐいぐいと。

(あーあ、こんどはGoogleっすか!)

やんわり断ったら、無言で切れた。




2020年10月18日日曜日

旧TOKYO INTERNATIONAL ARCADE

今日は地元と江戸の神社に古いお札を納めに。
それがですね、最初にお伺いした地元の神社で、
関係者らしき掃除をしていた身なりの良いご老人(♂)に、
「このお札はどこに納めたらよいのでしょうか」お尋ねしたら、
「ゴミになるから、今はそういうのは受け取らないよ」と断られてしまいました。

(ムカッ!)

んじゃーなんで授与所で販売するのでしょう?
「売ったからには返納も受け付けてちょうだい」と少々お怒りに。(心中で)

後々社務所にお聞きしたら、優し気な女性が「こちらで大丈夫ですよ」と無事返納できましたが。

次の根津権現様も波除稲荷神社様も当たり前に無事返納でき、
うれしい真っ新のお札を頂いてまいりました。

無事完了がちょうど11時少し前、
「ねぇ、【ぽん多本家】で御飯食べようよ」とカミさんに色目を使う。
さすがオレ、すんなり了承を得て御徒町だもんね。

【海老クリームコロッケ】と【ポークソテー】と【蛤のバター焼き】を2人でシェアする。
マジうめぇ。
何かで読んだが、白洲正子様はここの料理を食べてから最後の入院に入ったとか。

だよなぁ・・・





食後に新橋に用事のあったカミさんにつき合い、新しい商業施設の【日比谷OKUROJI(オクロジ)】を冷やかす。元【PORTER CLASSIC】があった「インターナショナルアーケード」ね。
あまたあるガード下アーケードよりおもしろいゾ。

何が?って。

よくわからん。




DAIKOKU BUDOSHU CO.LTD

雨音だけの夜(一昨日)、親父や祖父の時代の酒を呑みまする。瓶詰は1965年のサントリー角瓶でございます。多少ヒネた香りはありますが、そのアルコールは喉を焼きながら堕ちてゆきます。蒸留酒故、意外と大丈夫ですよ。冬の炬燵での団らんで、親父の胡坐に収まったボクの前にはこのボトルがあった記憶があります。もう55年から昔の光景ですが。

ただし当時のジャパンウヰスキーは合成酒が多く、他のですと劣化率高いよね。なぜか角瓶はOKなのね。ちなみに大黒葡萄酒時代(1962年以前)のオーシャンウヰスキーは、たぶんヤバいではないかな。






Afterimage

コレ以前含め、ブログ歴が17年以上経ちました。ひょんなことから古い画像が出てきたので、ひとつひとつふり返ってみました。
画像はたった13年分なのに、そのたった13年の時の流れの速さと世の中の栄枯盛衰にはおったまげます。
消え去ったモノは呑んだ酒のボトルだけではなく、モノ、店、人…

㊤銀座のど真ん中のビルの隙間奥にあったBAR。路地中は雑居ビルにある飲食店の従業員の喫煙所であり、それに足元には堂々歩く大ネズミがいてね。
㊥銀座Hermèsの隣にあったBAR。今は人も権利も譲渡され、東南アジアのHotelのBARに。
㊦ここは今もあるけど、日本の重鎮バーテンダーのI氏(物故)はもういません。グラスはマティーニではなくギブソンです。

画像の中には、これより100倍以上の記憶(存在しない)の画像がありました。
たった10数年で、景色はどんどん変わってゆきますねぇ。




文鎮代わりに大切にしていた古い置き時計の硝子の外枠、豆助に落とされ木っ端みじんに。
今は画像の中だけに。





2020年10月16日金曜日

HIGH FASHION 1960

1960/2-3 HIGH FASHION
ボクが生まれた(1959/10)頃のモデル黎明期のナオンたち、皆20代前半~半ばでこの大人風情。やっぱり『可愛い』より『カッコいい』だろ。モード系好きだな、昔も今も。







2020年10月14日水曜日

Μέδουσα

ここんとこ、使用頻度の高かったグラス類を続けて割ってしまったのね。洗浄時に洗剤で滑って落としたり、他の器や蛇口にぶつけてしまったりと、それもお気に入りのをやってしまったのだ。

んで、古道具屋でオールドファッションを購入する。アンティークと呼べるほど古いモノではありません。ただの中古品です。でも八角形と鈍く光る金の雷文(ライモン)が面白いでしょ。Rosenthal製でブランドは Versace。なるほど、グラスの底にはメドゥーサがいるんだぜ、っと。
けっこうアンティークや中古品に拒否感を示す方も多いけど、ボクは平気です。入手したときからニビ色って言うか古色って言うか、手間をかけずにいい感じですからね。
酒呑みにとってグラスは何でもいいワケでは無いんだよ。大きさや重さやデザイン、鉛の含有量までこだわってしまうんだな。

んで、ロングモーンをご開栓。
ツマミはメグ嬢にいただいたMeijiチョコで。皿は備前の煎餅皿を。







2020年10月12日月曜日

Occupied Japan

銀行からの帰り道、近所の人気(ひとけ)のない立体駐車場で煙草を吸ってるオジさんがいた。「あっ!」後ろ姿に見覚えがある当店のアルバイトのUさんではないか。バイトを終えての一服なんでしょうね。煙草を止めて十数年が過ぎたボクだけど、区切りの一服の美味さは憶えてます。「Uさん、気をつけて帰ってネ」と声を掛けてバイバイと手を振りました。人気(ひとけ)が無くてもポイ捨てじゃなく、きちんと携帯灰皿に吸い殻を捨てたUさん、彼らしいなぁ。いつもヤンキースの野球帽をかぶってます。それも彼らしい。

エナメルの絵柄は富士に桜花に五重塔、そして三条大橋にたたずむ舞妓さん。占領下の日本製シガレットケース&ライターで、当時のスーベニールと思われます。オキュパイドジャパンなのね。











2020年10月10日土曜日

Kuro Neko

毎朝のように、仕事前に作業場を開けるとボクの前を黒猫が通り過ぎるのね。「朝一番に黒猫かよ、不吉なことの前兆でなければよいが」と胸騒ぎ。あまりに連続で起きるので、さすがに検索してみました。

そこにはなんと、

<<朝から黒猫が道路を横切った。それが“不吉”だなんてとんでもありません!実は、朝の黒猫は“富”と“幸運”の象徴なのです。古来より猫は、“招き猫”に代表されるように、人やお金を引き寄せる使者とされてきました。黒猫はその色から不吉などと言われますが、“朝の黒猫”は別なのです>>

なんだって。んまぁウレシ、ありがたいことで。


このシュールさこの上ない店で喫茶去するのがルーティンなんだけど、ここんとこ、毎回訪ねる度に臨時休業や満席だったりで残念でならない。ここの猫も膝に乗ってくれると縁起が良いらしい。








2020年10月5日月曜日

Gaienmae

人を介して予約をしたのはまだコロナが対岸の火事だった頃で、ところが一週間前になった頃、世間はコロナ騒動となりました。そうなると食事を楽しむことも無理かなと、致し方なくキャンセルを申し出ることに。
「私どもも、そうしていただいた方がよろしいかと。(コロナが)おさまりましたら、どうぞまたお待ちしております」と、お返事をいただいた。年末に新規開店し、ほどなくしてコロナ禍だものなぁ。その気配りに申し訳なく思い、心の中に引っ掛かりを抱いたまま数か月が経ってしまったのね。

今日はボクの61回目の誕生日です。(昨日の話)
カミさんとその『慈華』さんで食事をすることとなりました。
『麻布長江』時代から噂は聞いていたけど、やっと食すときが来た。

南青山に。











※写真は一部です。

ふかひれの姿煮を少し残し、土鍋で炊いた白米を足してトリュフをのせたり、香り高いナラタケモドキの春巻きには、栗の実の粉がそれ以上の芳香を放っていたりと、噂には聞いていたけれどやばいネ、ここ。舌からの味覚はもちろん、鼻腔から脳みそに伝達される薫香の複雑さに、我分析できずに七転八倒よ。昼でこれだぜ、誰か夜つき合ってよ。