2009年4月7日火曜日

夢見た鮨

オジが若かった頃、鮨屋のカウンターで食べるのが夢だった。

先日の『新富寿司』でのことです。
このお店(たな)さん、銀座で昔ながらの江戸前、尚且つ良心的なお値段、
それに日曜日の銀座で、思い立ったとき予約無しでもOKな店なのです。

日曜日の昼食に、オジらが『おまかせ』の鮨を摘んでいると、
若い(年の頃なら20代半ば)男性客が、オジらのカウンター隣に座った。
そして目の前にいるの二番手に、
「一人前でお願いいたします」って注文をした。

そこからである。
職人が実に乱暴っつーか、やっつけっつーか、見事な早業で、
数分の内に全貫を漬け台に並べた。

「はい、これで一人前」

若造君、ヤラれちまいましたな。(人生修行ってヤツっすか?)
京都のイケズより、ずーっとストレートじゃん。

オジは鮨屋のカウンターでは、(テーブル席なら、なんら問題は無い)
『おまかせ』か『お好み』で食べるモンだと思ってる。
  (昔から、客と店との暗黙の了解)
それを『一人前』で注文するコトは、実に勇気のいることだと・・・・・

ただし、ただしである!
この店にはテーブル席は無いのです。(カウンターと個室だけ)
それに、ちゃーんと『一人前』ってシステムもあるわけだから、
その職人さんの対応の酷さに、チョット若造君に同情してしまった。

若造君、ここで食べたお鮨は美味しかった?

彼は黙々と食べ、三千円台のお勘定を済まして帰っていった。
(「ご馳走様でした」の言葉を残して)

回転寿司が主流となった現在、
寿司屋さんのしきたりも若い子には難しいかもね。
でもなぁ、『一人前』でもタダ食いじゃねぇんだから、
もう少しお鮨を楽しませてあげればよいのに。(遺憾)

   

先週入手した、戦前のセルロイド製万年筆です。(超美品なデッドストック)
『MORISMAN』 The Best Fountain Pen(吸い上げ式)
たぶん1930~1940年代の製品です。定価が5円7銭となっとるケ。

2 件のコメント:

田舎者 さんのコメント...

『日本の飲食店は、サーヴィスの良いところは少ないね。料理を台無しにしている事が多いよ。』
こんな会話の記憶がよみがえりました。

日本独特カウンターのお店では、
職人兼サーヴィスマンが理想なのですが
なかなか難しいようです。

今は知りませんが70年代のフランス三ツ星レストランでは
“料理人たちへは、店から給料が支払われますが、サービスの人間の給料は、
すべてお客様からのチップと15%のサービス料でまかなわれます。”
と、『生涯ソムリエ』という本に
小飼一至国際ソムリエ協会会長が書いています。

このお鮨屋さんは15%のサービス料が必要の無いお店なのです。

見方を変えると
若造君、なごり雪さん、田舎者、
また一つ社会勉強ができました。

『名店が 目が開かずに 迷店に』

おわり

なごり雪 さんのコメント...

田舎者様

コメントありがとう御座います。

この寿司店は不思議です。

貴方とって商売って何?
って訊いてみたい。

お客さんが喜んでくれるのも、
商売の醍醐味のひとつだと思うのですが。

このお店の人間、皆酷すぎますな。
池波正太郎が名店と謳ったことは、
もう遠い過去のことですね。