2025年3月26日水曜日

Yukiguni Marche

インスタにて「いいね!」をくださるお豆腐屋さんが、有楽町交通会館でのマルシェに出店していたので訪ねることに。同業者さんとの交流はほぼ皆無なボクですもの、面識有りません。


雪深く水清き妙高からはるばると、『とうふ工房 矢代』さんであります。「おおっ、ボク以上に太目」です。自分では製造していない湯葉が好物なもので、黙って買って帰ろうと考えていましたが、その愛らしき風貌についお声掛けを。
短時間ではありましたが、ボクの気づかぬところで過去にご縁があった話や仕事の話など、視線を外すことなく話される姿にこちらまで(胸が)熱くなる。たくさんの未来がある人間たちの「熱さ」でしょうかね。うらやましいぞ。


まずはその湯葉を調理する(写真①②)。湯切りしたしゃぶしゃぶ肉に同量の温めた湯葉を乗せ、葛製亀甲餡と少量の豆乳を掛け流す。普段食すは霜降りより赤身ですが、この場合は霜降り肉の方が食感や湯葉との絡みが好い。今回は前沢牛で、最後にブラックペッパーを少々。
『とうふ工房 矢代』さんの湯葉は実に重厚な漢(おとこ)湯葉であります。湯葉単体で愉しむのも好いが、肉と絡ませても主役としての立ち位置は同等、いやいやそれ以上でありました。


別れ際に「これも食べてみてください」と油揚げをいただいだ。原材料大豆は高糖度な信州産ナカセンナリ種100%とのこと。
これはサラダっつーか和え物で(写真③)。本当はもっと油揚げを前面に出したいのだが、旬の春野菜のバイプレーヤーとして使わせていただいた。細切りにして、オーブンで焦げない程度に熱する。己の油でカリカリに。ルッコラやフキノトウ(素揚げ)や香菜など癖の多い春野菜の中で、いやいやどーして、かなり面白い自己主張を展開してくれます。エキストラバージンオリーブオイルと塩と柑橘で。

『食』は知性でございます。

んで、酒は1970年代の『DEWAR'S White Label』を(写真⑤)。




2025年3月24日月曜日

Kuramae

昨今は部位ごとに趣向を凝らして食べさせる進化系が増えていますが、ボクはスタンダードな王道系のとんかつ(『ぽん多』さんではポークカツレツです)が好みであります。東京にはあまたのとんかつ店がありますが、まったくタイプは違えど御徒町の『ぽん多』さんと蔵前の『すぎ田』さんが二大巨頭ではないかと。

んで、台東区寿の『すぎ田』さんにご招待で揚げ物三昧を。焼き鳥店の銀座バードランドの主である和田さんに、夫婦共々御馳走になる。ココはいつも行列ですが、前日に『すぎ田』さんの主がテレビ出演だったらしく、いちだんと大混雑の店前であります。サウナに入るように「あい(相)すんませーん」と手刀を切りながらカウンター奥の和田氏の元に。

(写真①②③④)ハムサラダから始まり、特大エビフライ、ポークソテー、ヒレとロースカツをシェアしながら胃袋限界マックスに。ウヰスキーでフランベされたソテーの旨さと風味に咀嚼を忘れる。コレは豚肉のキャラメリゼではないの。とんかつもソースは使わず、とーぜん醤油数滴で食すことがボク流であります。んで、旨さの頂点でボクの舌の上に。

この人だからこその美味、料理人杉田氏に脱帽であります。





2025年3月21日金曜日

Hachiku

今月で大阪鮓の『四谷 八竹』が廃業されると聞き、急いて予約を入れたのが半月前のこと。そして最後の折り詰めを取りに行ってきました。昭和の終わり頃に知人にご馳走になってから、わが家でも数十年の間通わせていただいた。大切な方への勝負の手土産として、歌舞伎役者への楽屋見舞いとして、もちろん自家用としてがいちばん多かったのだが。

ベテランの職人たちも年を取り、どこの世界でも同じように、ここでさえ若い働き手不足とのこと。神楽坂の『大〆』が廃業し、築地の『八竹』(旧・原宿『八竹』)もだいぶ以前に閉められていて、これで東京の大阪鮓は消滅ではないかな。

コロナ禍以降、本物の伝統手仕事がどんどん消えて行きます。繁盛店でありながらの廃業は、たくさんの常連客にとって落胆と悲しみであります。





2025年3月6日木曜日

Unfounded fears

山桜桃梅(ゆすらうめ)の花が咲きました。いよいよ春ですかね。

次女の義兄が台湾からお出でになり、たまには奮発して鰻など。GINZA SIX『日本橋 鰻 伊勢定~蓮~』であります。基本、このビルヂィング自体高額ラインの店ばかりで、とてもとてもボクには場違いでありましてね。たまたま焼き手職人に近しい知人がおりまして、ご紹介により本日初訪問となりました。

それがですね、まったくの杞憂でありました。鰻は江戸前辛口で、ハンパない最良な「焼」の状態でともされます。器も料理も美しく、サーヴィスも行き届きたいへん居心地が良い。いやぁ、それでいてあの値段は申し訳ない、ってな感じでありました。次回から、鰻はここにいたします。
13階全体がサロンのようでございます。何が違うって、客層の風体身なりがかなり上質であります。

それだけが少々コンプレックスではありますが、ボク。





フェイスブックを退会いたしましたので、何かご伝言のあります方はインスタでお願いいたします。または一気に公開されずに承認制ですので、ブログのコメント欄でも。

2025年3月3日月曜日

Tako karakusa

と或る寂れた城下町、入るのも躊躇う間口も狭い旧い日本家屋で、扉を引くとネルソンズの太目の人に似た主が「いらっしゃいませ」と。以前、目白にあった『古道具 坂田』みたいな室礼で、四隅も暗い乳白電笠の仄かな灯だけです。アンティーク使いもこれ見よがしは感じられぬ静けさでね。たまたまなのか、ここで一度も他客に会ったことがない。魔訶不思議なブーランジェリーであります。

こーゆー雰囲気、好み。

宵の肴で。



2025年3月2日日曜日

Onkashitsukasa

京都でも横浜でも鎌倉でも川越でも、観光客ウケしているモノは皆同じような品で、もちろん第一条件は映えていて安く簡単に食えるものであります。それが悪いって言っているワケではないし、そのボクだって横浜の中華街で食った串に刺さった飴コーティングの苺に、「あれぇ、意外と美味いじゃねぇの」と妙な納得をしたりしてましたもの。

それはソレこれはコレで、やはり歴史や職人の志から生み出された名品が好みなのであります。んで、泉南の貝塚市『塩五』さんから「村雨」と「千家松葉」をお取り寄せ。
村雨にはザッハトルテのように八分立てのクレェームドゥーブルを添えます。ザッハトルテではチョコレートのビターさを和らげるらしいが、村雨の場合はウェットな濃厚さとコクをプラス。ホイップならやらぬ方がよい。

甘味でお酒。良い子は真似をしないように。




2025年2月27日木曜日

Calligraphy

たまの外食も外呑みも、還暦を過ぎた頃からほぼ「いつもの店で」に。それ以前までの「あれも食べたい、あそこに行ってみたい」との欲望が枯渇したようです。年齢のせいでしょうかね、新しいモノにチャレンジするリスクより、無駄なくいつもの安心感に身を置く方を選ぶようになりました。

子供の時以来で墨を調達する。半世紀以上の空白の時間がありますが、ここでまた書道の真似事などと考えてまして。小学生の時に姉と2年間お稽古に通い、中学校に進学した姉がやめると同時にボクも追随。たまたま父の遺品から硯が出て来たもので、ちょっとチャレンジ気分です、ハイ。


古梅園 奈良墨老舗の古墨を入手する。38年経過の1987年製造であります。墨表には足首の鈴を鳴らしながら舞い踊り、頭部後ろで琵琶を打つ天女の図であります。『反弾琵琶舞』と言うらしい。神々しくて、これじゃぁ墨磨りできないなぁ。できることなら根付にして帯に潜らせたい。

水滴は印判の油壷がよろしいかな。

いつもの悪い癖、先ずは恰好から。