2025年3月21日金曜日

Hachiku

今月で大阪鮓の『四谷 八竹』が廃業されると聞き、急いて予約を入れたのが半月前のこと。そして最後の折り詰めを取りに行ってきました。昭和の終わり頃に知人にご馳走になってから、わが家でも数十年の間通わせていただいた。大切な方への勝負の手土産として、歌舞伎役者への楽屋見舞いとして、もちろん自家用としてがいちばん多かったのだが。

ベテランの職人たちも年を取り、どこの世界でも同じように、ここでさえ若い働き手不足とのこと。神楽坂の『大〆』が廃業し、築地の『八竹』(旧・原宿『八竹』)もだいぶ以前に閉められていて、これで東京の大阪鮓は消滅ではないかな。

コロナ禍以降、本物の伝統手仕事がどんどん消えて行きます。繁盛店でありながらの廃業は、たくさんの常連客にとって落胆と悲しみであります。





2025年3月6日木曜日

Unfounded fears

山桜桃梅(ゆすらうめ)の花が咲きました。いよいよ春ですかね。

次女の義兄が台湾からお出でになり、たまには奮発して鰻など。GINZA SIX『日本橋 鰻 伊勢定~蓮~』であります。基本、このビルヂィング自体高額ラインの店ばかりで、とてもとてもボクには場違いでありましてね。たまたま焼き手職人に近しい知人がおりまして、ご紹介により本日初訪問となりました。

それがですね、まったくの杞憂でありました。鰻は江戸前辛口で、ハンパない最良な「焼」の状態でともされます。器も料理も美しく、サーヴィスも行き届きたいへん居心地が良い。いやぁ、それでいてあの値段は申し訳ない、ってな感じでありました。次回から、鰻はここにいたします。
13階全体がサロンのようでございます。何が違うって、客層の風体身なりがかなり上質であります。

それだけが少々コンプレックスではありますが、ボク。





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2025年3月3日月曜日

Tako karakusa

と或る寂れた城下町、入るのも躊躇う間口も狭い旧い日本家屋で、扉を引くとネルソンズの太目の人に似た主が「いらっしゃいませ」と。以前、目白にあった『古道具 坂田』みたいな室礼で、四隅も暗い乳白電笠の仄かな灯だけです。アンティーク使いもこれ見よがしは感じられぬ静けさでね。たまたまなのか、ここで一度も他客に会ったことがない。魔訶不思議なブーランジェリーであります。

こーゆー雰囲気、好み。

宵の肴で。



2025年3月2日日曜日

Onkashitsukasa

京都でも横浜でも鎌倉でも川越でも、観光客ウケしているモノは皆同じような品で、もちろん第一条件は映えていて安く簡単に食えるものであります。それが悪いって言っているワケではないし、そのボクだって横浜の中華街で食った串に刺さった飴コーティングの苺に、「あれぇ、意外と美味いじゃねぇの」と妙な納得をしたりしてましたもの。

それはソレこれはコレで、やはり歴史や職人の志から生み出された名品が好みなのであります。んで、泉南の貝塚市『塩五』さんから「村雨」と「千家松葉」をお取り寄せ。
村雨にはザッハトルテのように八分立てのクレェームドゥーブルを添えます。ザッハトルテではチョコレートのビターさを和らげるらしいが、村雨の場合はウェットな濃厚さとコクをプラス。ホイップならやらぬ方がよい。

甘味でお酒。良い子は真似をしないように。