3月も終わりになる頃は、近づく江戸の祭りにワクワクしたものです。
浅草で杵屋のお稽古に通った関係から我背負う(ワッショイ)をさせて頂きましたが、さすがに年齢的に50歳で三社祭、54歳で鳥越祭の御神輿を卒業いたしました。
愉しかったことは、生粋の江戸の漢衆を見れたこと。よく聞く「羽織の裏勝り」だけではなく、これ見よがしではない根付や袋物や足袋などの小物使いのかっこ良さでしょうかね。そんな江戸の漢はすべてがシンプルでどこか粋なのであります。たまたまの会話の中で知る個々の奥深さ。神輿以外でも根付蒐集家団体や千社札の交換会、噺家や義太夫の太夫のタニマチ会などなど、何かしら物事に通じている方が多かったような。皆が碁盤の上で「奴さん」を踊れるような隠れ旦那衆たちでしたもの。憧れたけどボクには無理なことで。
その方々、ほとんどが鬼籍に入られました。
片づけをしていたら当時の巻き帯が出て来ましてね、川島美術織物製大風呂敷からの転用ですが唯一残っている半纏用の帯です。
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