2026年3月8日日曜日

kura

35年ぐらい前でしょうか、ひょんなことから素封家のご夫婦と知り合い、時々訪ねては昔の古き良き時代(戦前)のお話を聞く機会がありました。そういう話は大好物なボクですからね、よくお茶やお菓子を頂きながら愉しませていただきました。戦前は炭問屋で、かなり裕福な生活をされていたらしい。昭和元年生まれの主は開いたアルバムを指さしながら、毎夏の避暑で訪れた軽井沢での出来事や旧制川越中学時代の高校野球の話などなど、彼も楽しそうに語ってくれました。


教育者をリタイア後、『昭和も遠く 幼年時代』を昭和63年に自費出版されたのね。文章もまじめな主らしく理路整然で、その時代を知らないボクでも情景が脳裏に浮かぶのです。よく思い出しては書庫から引っ張り出して頁をめくってはいましたが、どこに隠れてしまったか、ある日を境に探しても探しても見つからなくなってしまいました。新潮社とはいえ自費出版ですから諦めてはいましたが。

ところがですね、さすがアマゾンですねぇ、ありました。




氏と最後にお会いした時に、「二棟ある蔵のうち、一棟が東京の日本橋に移築されることが決まりました」と嬉しそうに話された。「わが家の蔵がお江戸日本橋ですよ。放っておいても朽ちるだけです。次の時代に生かされることがうれしくてね」とも。

「石山さん、やっと石山家の蔵に会ってきました」

すごいなぁ「T-HOUSE New Balance(ティーハウス ニューバランス)」。このニューバランスの最先端コンセプトストアは、122年の間、蔵として川越の六軒町に存在していたんだぞ。


NB公式 - ニュースリリース - T-HOUSE New Balance(ティーハウス ニューバランス) オープンのお知らせ New Balance【公式通販】

2026年3月1日日曜日

CINEMA

暖かくなりまして、ちょっと早いけど階段上の電笠を寒色系にチェンジしました。


出かける予定が変わって、お籠りな日曜日(定休日)であります。

先週に柳橋を歩いたことで、そこが話の舞台であります映画を数十年ぶりに鑑賞を。『流れる』であります。成瀬巳喜男監督の1956年(東宝)制作のモノクロ映画で、幸田 文の原作小説です。当時の東京や花柳界の風景を知ることができ、またモノクロでありますが着物が江戸好みであります。
凋落の一途の芸者置屋を描いてますので、明るい作品ではございません、あしからず。


山田五十鈴さんのセリフの「一本つけて頂戴」にその気になって、鑑賞のお供は普段は呑まない日本酒にする。神棚用を失敬いたしますよ。肴も手っ取り早く味噌豆に。

じいさんのたわごとではありますが、昨今の映画はまーったく観ないのだよ。小津監督や成瀬監督、三隅監督など、この時代で日本映画は頂点に達しちゃったのではないかと思う。山田五十鈴さんや田中絹代さんはもちろん、高峰秀子さん、中北千枝子さん、賀原夏子さん、皆演技がリアルそのもの。善人の奥にいる悪、悪人の中の善と、実社会では当たり前のことですからね。とくに栗島すみ子さんのデフォルメしていないあの凄味は何なのか?

すっかりやられちまいました。



柳橋「一新亭」の主にして日本で最後のアマチュア写真家・秋山武雄氏の写真集を古書店で購入する。作為の無い写真で、市井の人々がそこにいます。タイトルがささった。