2022年10月5日水曜日

Doma

たまたま通ったら、昔のお得意様の自宅兼店舗が取り壊されていた。十数年前までは稲荷寿司屋さんだった店で、街の寄合や運動会などの折り詰めが専門だった。暖簾も出していなかったので、知ってる人も少ないのではないかな。その昔は指定地(遊郭)横の握り寿司屋でしたから、店前の坪庭には粋に柳が植えられていてね。ボクが高校生ぐらいまでは、隣に木造モルタルのカフェー建築の廃墟もあり、ファサードには埋め込まれた『LIGHT』の色ガラス製ネオン管が残ってたもの。
我が店が油揚げを機械揚げから手揚げになった時点で、量産ができませんので取引を終わらせていただいたのだけど。調理場は土間でね、血圧の高そうな赤ら顔の女主人が、いちだんと顔を真っ赤にして薪のかまどで油揚げを炊いていたのね。知らなかったっとは言え、だいぶ以前に廃業されていたみたいです。成田山新勝寺の末院近くにあったので、名は『成田寿司』と。
衛生環境の整った店舗が昨今の当たり前ですが、大汗を流しながら大杓文字を使い煮炊きをしていた女将の姿も懐かしい。

外は雨です。少々寒いけれど、ポテサラと冷酒で晩酌を。







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