2024年9月15日日曜日

Le Manoir D’HASTINGS



本日、古書店で注文していた1990年12月号の雑誌『太陽』が届いた。特集は「フランス料理の新世紀」であります。表紙はフレンチ(LA PRIMEUR)から転身した「ぎたろう軍鶏 炭火焼鳥 たかはし」の高橋祐二氏で、若手で紹介されているのは、他に宮代 潔氏(Km)五十嵐 安雄氏(CLUBU NYX)田辺 年男氏(A TA GUEULE)小峰 敏宏氏(LA TABLE DE COM・MA)北島 素幸氏(北島亭)斉須 政雄氏(Côte d'Or)であります。1956年生まれの小峰氏以外は皆70代で現役。小峰氏も故郷に戻り続けられている。まだまだ65歳のボクが年長者の料理を食すことができる。フランス料理はすんごいなぁ、、、


たまたま今日の昼は五十嵐シェフの銀座『Le Manoir D'HASTINGS』で初老♂二人フレンチを。いつもお世話になっておりますイラストレーターD氏にお礼のつもりでね。美味いのよ、ほんと美味いのだよ。和食が生活の99%のボクだけど、ここを目指すとなると数日前から節制しますもの。






Kappo





たまたま、1991年の雑誌『太陽』を古書店にて購入。特集は当時の先端の割烹店であります。思わず「おおっ、懐かしいねぇ」と、若かったから怖いもの知らずで訪ねた店も数店ありました。京都の「ふきあげ」さんや人形町「きく家」さんは今も交流はありますが、掲載店の八割方がもう存在しておりませんでした。たった33年なんだけどね。


最近は仕事関係含め出会う方々は年下の人間ばかり。例えば外食をしても料理人はほぼ年下で、それも20~30歳も若かったりしてね。若い人には夢があり、未来を語る姿は実にエネルギッシュで好いのだけれど・・・

ちょっとジィさんは疲れてしまう。

ここんとこ、若い頃のように年長者に心身をゆだねられる店を探してしまいます。

Natto


半世紀以前はこの街にも納豆屋さんはたくさんあったのね。それこそひと町内に一軒ぐらいの。それが豆腐屋以上に消滅するのが早かった。スーパーで買えば物価の優等生だもの、それも致し方ないことだったのかね。画一化した味と食感に慣れてしまった今だからこそ、ボクは取り寄せて愉しんでます。とくに北関東や東北、地域性の違いは面白いぞ。

納豆はパックのまま食べることはいたしません。かならずそれ用の器に入れて練ります。たとえ付属していてもタレやカラシも使いません。本和芥子を湯で溶き、生醤油で食すこととしております。こだわってるワケでは無く、そっちの方が美味しいんだもの。今は無い大豆問屋の営業が言ってた「ひきわりは(どーせ砕くのだから)上質の大豆は使わないよ」が脳裏にあり購入はしない。食したいときは納豆を自分で叩きます。通ぶるのなら「納豆は大粒に限る」ですが、御飯との絡みで小粒が好み。
いつもの舟納豆(茨城)が「お取り寄せ」で届いたので、いつもの納豆用の器で捏ねる。これ以上は無い高取焼の向付であります。高取釉はほんとうに美しい。薬味は葱か茗荷か塩麹も、本日はエシャロットを縦切りで。


2024年9月4日水曜日

Obon

書斎はボクの秘密基地です。
やはりコロナ禍の影響はあるのでしょうかね、あの頃から自宅書斎での独り呑みが主流です。その日の気分で酒を選び、簡単にちゃちゃっと肴を皿に置く。呑んだらそのまま寝落ちして、早朝っていうか深夜に目覚めて後かたずけを。そしてお仕事。

独りって悪くないなぁ。

ときにジオラマや箱庭のように、盆の中は自分だけの小宇宙であります。晩酌の宵は、酒器や肴皿をあれやこれや考える愉しさがあります。これは京都の指物師二代目川本光春・作の松の木盆で、細部の仕上げも漆器の木地師とは異なりますねぇ。人間(ひと)ではなくモノと対座する。それもまた愉し嬉しです。





2024年9月2日月曜日

Aburaage

昨日、隣町のスーパーへ食材を仕入れに行ったら、もう新米が売り場の壁一面に高く積まれていたのね。あっけなく米騒動も終了でありました。


焼いてから葱やら茗荷を乗せて、ちょろっと醤油をたらして食べるの人が多いかな。って京都の人に言ったら、「へぇ、お揚げさんを焼いて食べますの?」って(凄く)驚かれました。生粋の京都人の彼女には、油揚げは炊いて食べるモノらしい。たしかにボクも菜っ葉と炊いた(煮る)のが好みですが、地元のお客さんたちは、皆味噌汁やお稲荷さん以外は焼いて食べていると言う。例えばピッツァ台にしたり。西と東では油揚げに対する考え方は違うみたい。やはりそのお方が言うことでは、京都はお豆腐よりお揚げさんの方が食卓に上がることが多いとのことでした。(へぇ)
今現在の油揚げの大豆は宮城産のタチナガハ種です。お取り寄せは関西はもちろんのこと、意外に多いのはうどん圏の讃岐です。

酒の肴でゴルゴンゾーラと油揚げとオリーブオイルと塩コショウ。あと小葱を散らす。揚げの油が太白胡麻ですのでゴルゴンゾーラに。菜種ならコンテの方が好いかも。